建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案について

Ⅰ.趣 旨
 この法律案は、建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るため、建築物に係る報告・検査制度の充実及び強化、防災街区整備事業の推進のための支援措置の拡充等の措置を講じようとするものである。
Ⅱ.概 要
建築基準法の一部改正

(1)著しく危険又は有害となるおそれがある既存不適格建築物に対する勧告及び是正命令制度の創設
 特定行政庁は、不特定又は多数の者が利用する既存不適格建築物について、劣化が進み、放置すれば著しく危険又は有害となるおそれがあると認めるときは、所有者等に対して勧告し、必要な場合には是正命令を行うことができることとする。

(2)建築物に係る報告・検査制度の充実及び強化
 ① 国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物のうち、不特定又は多数の者が利用するものについて、損傷、腐食等の劣化の状況を定期に点検することを義務付ける。
 ② 特定行政庁等による報告徴収の対象に、定期点検等を行った一級建築士等を加える。
 ③ 建築主事等は、違反是正命令等をするために必要な限度において、建築物等の立入検査をすることができることとする。
 ④ 定期報告等の書類のうち建築物の安全性等にかかわる一定のものを、特定行政庁における閲覧に供することとする。

(3)特例容積率適用地区内における建築物の容積率の特例等
 3.の特例容積率適用地区内における建築物の容積率の限度を定める。

(4)一団地内の一の建築物に対する制限の特例
 市街地における防災空間の確保等のため、隣接空地を含む一団地内に建築される一の建築物について、特定行政庁の認定を受けて、当該一団地を当該建築物の一の敷地とみなして容積率等の規制を適用することができることとする。

(5)既存不適格建築物に関する規制の合理化
 既存不適格建築物を一部でも増改築等した際に、即座に全基準に適合させる必要のある現行制度を合理化し、増改築等の全体計画を特定行政庁が認定した場合には工事に係る部分から順次基準に適合させることを可能とする等の措置を講ずる。

(6)その他
 罰則の強化(是正命令に従わない場合の法人重課等)、容積率不算入の対象となる住宅地下室の範囲を条例で制限できることとする等所要の措置を講ずる。

  1. 官公庁施設の建設等に関する法律の一部改正
     建築基準法による定期点検の対象となる建築物に加え、一定の国の建築物について定期点検を義務付けるとともに、国土交通大臣は、保全の基準を定め、関係国家機関に対し、その実施に関する勧告及び定期点検の結果の報告徴収をすることができることとする。
  2. 都市計画法の一部改正
     商業地域にのみ定めることができる容積の移転が可能な特例容積率適用区域を、一部を除く他の用途地域においても定めることができる特例容積率適用地区に拡充するとともに、当該地区において建築物の高さの最高限度を定めることができることとする。
  3. 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部改正
     防災街区整備事業組合について法人税法等に関する法令の規定の適用について特例措置を設ける。


→建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案イメージ図(PDF形式)

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