特集「中・大規模木造建築物の耐震補強事例 その1」

No. 471 2017/4月号

特集「中・大規模木造建築物の耐震補強事例 その1」

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◆防災随想

◇小規模な社会福祉施設等に対応した消火設備について/四維栄広(総務省消防庁予防課設備係)(1ページ)

◆特集「中・大規模木造建築物の耐震補強事例 その1」

◇兵庫県篠山市立八上小学校耐震補強事例/荒木康弘 (国立研究開発法人建築研究所)(9ページ)

 篠山市立八上小学校は、昭和12年に建築された木造校舎である。校舎敷地は県道77号篠山山南線に面しており、周辺には視線を遮る建物も存在しないことから視認性も高く、篠山盆地に広がる美しい農村風景や、八上城跡(国史跡)のある高城山をはじめとする周辺の山並みとも調和していることから、八上小学校は、まさに地域のシンボルとして愛されている。また景観面だけではなく、八上小学校はその長い歴史の中で地域住民が三世代に渡って、学び、遊び、慣れ親しんだ、心のよりどころとなる校舎であり、心象においても地域の象徴的な存在となっている。そして、昭和初期に建築された木造校舎を今も現役の校舎として使い続けている事例は県内でも稀であり、市も貴重な木造建築物であると認識している。

◇埼玉県における中規模木造の耐震補強事例-深谷商業高等学校記念館・岩槻郷土資料館(旧岩槻警察署)-/神田廣行 (一般社団法人 埼玉建築設計監理協会 副会長)(8ページ)

 平成20年(2008年)3月、木造建築物の耐震性能(診断・補強)に関して、専門的かつ総合的に検討することを目的として、(一社)埼玉県建築士事務所協会と (一社)埼玉建築設計監理協会共同で「木造建築物耐震性能判定委員会」を、東京大学名誉教授坂本功先生を委員長に、学識経験者5名、協会委員6名からなる委員会を設置した。

 これまでに判定委員会に上程された物件は、診断・補強を含め81棟になり、用途は、幼稚園27棟・保育園26棟・学校校舎5棟・その他集会場等23棟、となっている。また、官民の割合は、公共施設68棟、民間施設13棟、となっている。

 今回、耐震補強事例として深谷商業高等学校記念館・岩槻郷土資料館の2件を紹介する。

◇自由学園南沢キャンパスの耐震改修-昭和初期の木造建築物の意匠を生かした耐震補強-/金箱温春・袴田喜夫 (金箱構造設計事務所・袴田建築設計室)(8ページ)

 自由学園南沢(現東久留米市学園町)キャンパスの木造校舎群はフランク・ロイド・ライトの弟子である遠藤新の設計により1931年(昭和6年)から1936年(昭和11年)に順次竣工した。ライトによる目白の明日館が完成して10年経たないで移転計画が始まり、遠藤新が独自にその設計を行っている。

◇金光教甘木教会会堂の構造診断と構造補強/冨永善啓(株式会社文化財構造計画) (10ページ)

 「間に合ってよかった」。平成28年熊本地震の直後に、教会の方から出た言葉である。福岡県朝倉市にある金光教甘木教会会堂は、平成27年11月に耐震補強工事が終わったばかりであった。

 本建物は、昭和初期に建てられた近代和風の木造建築である。規模が大きな木造建築であるため、なかなか適切に構造検討ができる設計者が見つからず、巡り巡って私たちが構造診断と補強設計を行うこととなった。結局、教会が耐震対策を計画してから補強工事を終えるまでに、約10年の期間を要していた。その補強工事を終えたつい半年後に今回の地震に見舞われたのである。

◆災害報告

◇平成28年鳥取県中部の地震による建築物の被害調査/三木徳人*・脇山善夫**・山)口秀樹**・廣嶋哲* (*国立研究開発法人建築研究所 構造研究グループ・**国土交通省 国土技術政策総合研究所 建築研究部)(18ページ)

 鳥取県中部地方において、平成28年10月21日14時07分頃に最大震度6弱を観測する地震が発生し、建築物に被害が生じた。この地震被害を受け、国土技術政策総合研究所と建築研究所は国土交通省住宅局の要請に基づき、連携して建築物の被害状況を把握することを目的とした調査を実施した。

◆定期報告コーナー

◇防火設備定期検査報告マークの活用状況について(お知らせ)/建築物防災推進協議会・一般財団法人 日本建築防災協会(2ページ)

 平成28年6月より新たに防火設備の定期検査報告制度が施行されました。それに向けて、建築物の防災性の向上や定期報告等の啓発・普及活動を推進する建築物防災推進協議会は、次に示す防火設備定期検査報告マークを定めるとともに、平成28年6月10日に商標登録を完了しました。

 

 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

 

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一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係

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