特集「平成28年熊本地震 その2」

No. 466 2016/11月号

特集「平成28年熊本地震 その2」

※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す。

◆防災随想

◇「相場」による設計と地震被害/塩手博道((株)山下設計 構造設計部)(1ページ)

◆特集「平成28年熊本地震 その2」

◇非構造部材の地震被害/脇山善夫・清家剛(国土技術政策総合研究所・東京大学大学院)(4ページ)

 熊本地震による非構造部材の地震被害報告としては、日本建築学会では、4/23~4/24に熊本市内、4/30~5/1に大分県及び熊本県で実施した調査に基づく報告がある他、各被害調査報告の中で一部、非構造部材の被害報告がある。また、国総研・建研では、建築物の中に入っての非構造部材に関する被害調査(第三次調査、第十一次調査)を行っている他、各次調査の中で一部、非構造部材の被害報告がある。本稿は、これらの被害報告の中から、吊り天井、ガラス開口部、外壁を主に取り上げて地震被害について報告するものである。

◇基礎、地盤(液状化、宅地造成等)/柏尚稔・新井洋 (国土技術政策総合研究所・建築研究所)(14ページ)

 建築物の被害原因になりうる基礎の損傷及び敷地地盤の変状の状況を確認するために、第一次及び第二次調査で建築物の被害が特に大きいとされた益城町において、宅地・基礎の被害に着目した目視調査を実施するとともに、別途の情報例えば液状化被害が見られているとされた熊本市南区を現地踏査した。本節では、これら調査において把握した建築物基礎及び地盤の被害事例について示す。なお、本報告の内容は国土技術政策総合研究所および建築研究所で実施した調査結果の速報で発表済みである。

◇平成28年熊本地震における学校体育館の被害概要/長谷川隆(国立研究開発法人 建築研究所)(7ページ)

 平成28年(2016年)熊本地震においては、いくつかの学校体育館等(市民体育館も含む。以下、単に「学校体育館」という)で構造的な被害が生じていることが、熊本県及び熊本市からのヒアリング調査1)により明らかになった。それらの被害は、ブレース架構の学校体育館のブレースの座屈や接合部等での破断、屋根面水平ブレースの接合部等の破断、RC架構に鉄骨屋根が接続された学校体育館の屋根とRC架構の接続部(支承部)でのコンクリートの破壊、鉄骨トラス屋根のボールジョイントと部材との接合部での破壊等である。

 本調査は、国土交通省住宅局の要請を踏まえ、このような被害が生じた学校体育館を対象に、その被害状況を把握するとともに、被害の特徴と原因を明らかにすることを目的として、平成28年6月8日〜10日の3日間で行ったものである。

◇平成28年熊本地震による図書館の被害状況調査報告/川島宏(公益社団法人日本図書館協会 図書館災害対策委員会委員)(4ページ)

 これまで図書館もまた、地震を筆頭とする自然災害により被害を受けており、この10年間では、東日本大震災(以降3.11と略す)による被害がひときわ大きい。日本図書館協会は、「東日本大震災対策委員会」を緊急措置的に設け、支援活動を展開してきたが、2015年9月の関東・東北豪雨による図書館の浸水被害等、複数の被害が続き、「図書館の被害に対し窓口となる委員会が必要」との声があがった。そのため「図書館災害対策委員会」が2015年12月に設けられた。メンバーは3.11で支援経験のある図書館関係者が主で、図書館施設委員会からは建築士である川島が加わった。熊本地震は、この委員会の初の活動の対象であった。

◇平成28年熊本地震におけるマンションの被災状況について~協会会員の受託するマンションの被害状況と管理会社の対応他~/山田宏至(一般社団法人マンション管理業協会 技術センター長)(9ページ)

 今回の地震は、震度7の地震が2日間で2回発生し、余震も規模の大きなものが多く発生するという今までに経験したことのないものでした。

 一般社団法人マンション管理業協会(以下、協会という)では、前震発生翌日(4月15日)から会員と会員の受託管理する物件の被災状況について協会災害時用ホームページを通じて書面での調査を行い、4月28日に初報、6月14日に第2報を公表しました。以下に、会員の受託管理するマンションの被害状況と協会の取組及び協会会員である管理会社の対応などを報告します。

◇平成28年熊本地震における熊本県建築士事務所協会の取り組み/小林至((一社)熊本県建築士事務所協会 専務理事)(5ページ)

 平成28年4月14日午後9時26分ごろ震度7の地震が発生し、翌々日の16日午前1時25分ごろ2度目の震度7の地震が発生した。同じ震度7ではあるが、14日の地震では外に逃げることができ家の被害もそんなに大きなものではなかったが、16日の地震では揺れがひどく立ち上がることもできなかったし、家の内外に大きな被害が出た。同じ震度7でもこれほど違うものかと改めて知らされた。本震の後も余震が続き、家に住むことが出来なかった。この地震による住宅の被害は、9月現在で全壊が約8千棟、半壊が約2万9千棟、一部損壊を含めると住宅の被害は約17万棟に上っている。

◇平成28年熊本地震と熊本県建築士会の取り組み―熊本地震の概要と熊本県建築士会の活動報告―/廣田清隆(熊本県建築士会 常務理事)(8ページ)

 平成28年4月14日、16日に発生した熊本県益城町を震源とするM6.2、M7.3の地震は、熊本県の広い地域に甚大な被害をもたらしました。

 熊本県建築士会は、初動期より各行政機関からの要請を受け、さまざまな取り組みをしてきました。

 本稿では、熊本地震とはどんな地震であったのか、その概要とそれに伴う熊本県建築士会の取り組みを報告させていただきます。

 

 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

 

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