特集「平成28年熊本地震 その1」

No. 464 2016/9月号

特集「平成28年熊本地震 その1」

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◆防災随想

◇平成28年熊本地震の現地調査を終えて/大久保宣博(東京消防庁予防部予防課)(1ページ)

◆特集「平成28年熊本地震 その1」

◇平成28年熊本地震の地震及び地震動/鹿嶋俊英(国立研究開発法人建築研究所)(7ページ)

 2016年4月14日21時26分に熊本県熊本地方でマグニチュード(M)6.5の地震が発生し、翌日には「平成28年(2016年)熊本地震」(以下熊本地震と称する)と命名された。この地震の約28時間後の4月16日の未明、更にM7.3の地震が発生し、これが熊本地震の本震となった。以降4月14日21時26分の地震は、熊本地震の最大の前震(本稿では単に前震と呼ぶ)と呼ばれている。これらふたつの地震の諸元を表1に示す。前震の震源断層は北北東-南南西方向に延びる右横ずれ断層、本震の震源断層は北東-南西方向に延びる右横ずれ断層で正断層成分ⅰを含むものであった。なお、本震の発生の約32秒後に、大分県中部地方でM5.7ⅱの地震が発生しており、大分県周辺の地震動は、この地震の影響も受けていると考えられる。

◇平成28年熊本地震による被害概況/臼井浩一(国立研究開発法人建築研究所 住宅・都市研究グループ長)(4ページ)

 今回の地震では、4月14日以降、震度6弱を上回る大きな地震が7回発生し、熊本県を中心に被害が発生した。人的被害または住宅等被害が報告された地域は、7県(熊本県、大分県、福岡県、宮崎県、佐賀県、長崎県、山口県)域にわたっている。

 本稿では、主として建築・住宅に係る被害の概況を官公庁の公表資料等からとりまとめた。なお、使用したデータ等は概ね7月末日までのものであり、被害の状況はその後も変化していることに注意が必要である。

◇平成28年熊本地震における応急危険度判定活動/ (全国被災建築物応急危険度判定協議会 事務局・一般財団法人 日本建築防災協会)(3ページ)

 日本建築防災協会では、全国被災建築物応急危険度判定協議会(以下、「全国協議会」)の事務局を担当しているため、発災後、事務所に職員を召集した。夜間の地震のため、被害状況が掴めない状況にあった。

 翌15日に、熊本県から次の情報を収集し、全国協議会会員へ情報提供をした。

◇構造別被害概要 木造建築物の被害(その1)益城町の前震と本震による被害の比較、及び南阿蘇村等の被害/槌本敬大(国立研究開発法人 建築研究所)(16ページ)

 熊本県熊本地方において、平成28年4月14日21時26分頃に最大震度7を観測する地震(前震、マグニチュード(Mj)6.5(暫定値))が、16日1時25分頃には再び最大震度7を観測する地震(本震。Mj7.3(暫定値))が発生し、甚大な被害がもたらされるとともに、活発な地震活動が続いた。4月14日の地震発生を受け、国土技術政策総合研究所と建築研究所は国土交通省住宅局の要請に基づき、連携して15日から現地入りし第一次調査を16日まで実施した。これにより、14日の前震と16日の本震のそれぞれによる被害状況の初動的、基本的な情報収集が行われ、把握された。

 本調査の目的は、平成28年(2016年)熊本地震による建築物等被害の原因等の検討に資する基本的な情報を得ること、並びに各分野の追加的な調査の必要性検討に資する情報を得ることなどである。

◇構造別被害概要 木造建築物の被害(その2)本震に対する初動調査/中川貴文(国土技術政策総合研究所)(7ページ)

 熊本県熊本地方において、平成28年4月14日21時26分頃に最大震度7を観測する地震(マグニチュード(Mj)6.5(暫定値))が、16日1時25分頃に最大震度7を観測する地震(本震。Mj 7.3(暫定値))が発生し、甚大な被害がもたらされるとともに、活発な地震活動が続いている。国土交通省住宅局の要請を踏まえて、被災原因等の検討に資する基本的な情報を得ること、並びに各分野の追加的な調査の必要性検討に資する情報を得るために、4月14日のMj 6.5の地震による建築物の被害について第一次調査に引き続き、4月16日のMj 7.3の本震後に木造住宅の被害について第二次調査を行った。本報告は4月17~18日に実施した被害調査の速報である。本震後の熊本県庁の情報等により、木造住宅の倒壊が多いとされる熊本県上益城郡益城町、阿蘇郡西原村及び阿蘇郡南阿蘇村(以下、益城町、西原村、南阿蘇村)において調査を行った。

◇構造別被害概要 益城町における鉄骨造建築物の被害調査の報告/岩田善裕・石原直(国土技術政策総合研究所 建築研究所)(10ページ)

 平成28年(2016年)熊本地震による鉄骨造建築物の被害状況及び倒壊又は大破した鉄骨造建築物の被害要因を把握するため、4月14日(前震)と16日(本震)の両方の地震で震度7を観測した益城町宮園観測点を中心に、鉄骨造建築物の被害調査を行った。本報告は4月28~29日に実施した被害調査のうち、主として倒壊又は大破した鉄骨造建築物についての調査結果をとりまとめたものである。

◇構造別被害概要 鉄筋コンクリート造/中村聡宏(国立研究開発法人建築研究所構造研究グループ研究員)(6ページ)

 本報では、平成28年4月17日、18日に実施された鉄筋コンクリート造(以下、RC造)建物および鉄骨鉄筋コンクリート造(以下、SRC造)建物の現地被害調査の概要について報告する。調査は、主として外部から目視による調査を行っている。また、関係者の協力により、一部の建築物で内部調査を行っている。調査エリアは熊本市、宇土市、宇城市北部および益城町西部である。調査結果の詳細については、建築研究所および国土技術政策総合研究所の平成28年(2016年)熊本地震関係特設ページにて公開されている、第二次調査報告(その2)を参照されたい。

◇構造別被害概要 平成28年熊本地震の構造別被害状況(免震)/井上波彦(国立研究開発法人 建築研究所)(8ページ)

平成28年熊本地震の被災地である熊本県内には、病院、集合住宅など確認された範囲で二十数棟の免震建築物が存在している。これまでの震災等を通じて免震構造の有効性が実証されつつあるところであるが、実際の大地震(地震動)を経験した免震建築物の事例は少なく、地震時の挙動や地震後の被害状況を把握し、今後の基準の整備や設計に資する知見を取りまとめることの重要性は高い。そこで、国土交通省住宅局の要請を踏まえて、熊本県内の免震建築物を対象に現地調査を行った。なお本報は、すでに公開済みの「平成28年(2016年)熊本地震による建築物等被害第九次調査報告」の内容の一部を整理して取りまとめたものである。

◆ぼうさいさろん

◇国立西洋美術館本館の世界文化遺産登録/岡田恒男(日本建築防災協会理事長 東京大学名誉教授)(4ページ)

 今年、7月17日に、東京の上野公園にある国立西洋美術館本館の世界遺産への登録が決定されたとの喜ばしいニュースが各方面で大々的に取り上げられた。国立西洋美術館のホームページによれば、正式には、「第40回ユネスコ世界遺産委員会において、日本の国立西洋美術館を構成資産に含む「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」(7カ国共同推薦)の審議が行われ、世界遺産一覧表に記載することが決定された。」とのことである。

 

 

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