特集「建築物各部位の安全性その5 外壁①」

No.439 2014/8月号

特集「建築物各部位の安全性その5 外壁①」

 

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◆防災随想

2014年度夏季の電力需給対策について(1ページ)

五十嵐勝治

東京消防庁予防課火気電気係長

◆特集「建築物各部位の安全性 その5 外壁①」

◇外壁の扱われ方と諸性能(2ページ)

小見康夫

東京都市大学工学部建築学科表

  建物の内部と外部を隔てているのは主に「屋根」と「外周壁」である。これらが備わっていなければ、それを建物と呼ぶことは難しい。すなわち、これらが担っているのは、まずは外界からの様々な作用を遮断・緩和するShelterとしての役割である。英語でBuilding EnvelopeまたはBuilding Enclosureと言えば、外界と建物の境界、すなわち屋外環境と屋内環境とを切り分ける部分を指し、屋根と外周壁(さらに建物下面である基礎・土間等を含むことも多い)を合わせたような便利な言葉であるが、日本語でこれに該当するものは無い。その理由は、ドームやヴォールトなら、壁の延長で屋根を覆ってしまえる組積造と、壁とは別に小屋組を用いて屋根を覆う軸組造との差であったり、厳しい冬に耐えるため建物をすっぽり覆って断熱するのが重要な地域と、高温多湿で断熱よりも夏の通風換気が重要な地域との差であったりするのではないかと考えられるが、推測の域を出ない。

◇押出成形セメント板(ECP)(4ページ)

髙木建治

押出成形セメント板協会(ECP協会)事務局

 押出成形セメント板(Extruded cement panel、略称:ECP、以下ECPと記す)は、主に建築物の外壁および間仕切壁に用いられる材料で、セメント、けい酸質原料、および繊維質原料を用いて、中空を有する板状に押出成形し、オートクレーブ(高温高圧)養生したパネルである。ECPは、押出成形機の出口にある口金形状を変えることにより、比較的容易に断面形状を変えることができる。

◇ALCパネル(5ページ)

ALC協会

 ALCパネルは、耐火、断熱、遮音、軽量など、建築物に欠かせない基本性能を兼ね備えた建材であり、鉄骨造建築物をはじめ木造、鉄筋コンクリート造建築物の外壁、間仕切壁、屋根、床などあらゆる部位に使用されている。

 1963年に工業生産が開始されてから様々な建築物に利用され、今も安全で快適な防災街づくりを支えている。

◇GRCパネル(6ページ)

相子恒夫

日本GRC工業会

 日本GRC工業会は、昭和63(1988)年6月に設立されている。設立以前から導入技術系、国産系各社が研究・開発を始めており、日本でGRCパネルは40年近い実績がある。

◇金属サイディング(4ページ)

日本金属サイディング工業会

 金属サイディングとは、金属板を単に成型加工しただけではなく、断熱性能や防火性能を高める芯材の付加、表面加工、接合部加工等を施した乾式工法用の複合外壁材である。

 表面材は、各種の塗装鋼板などの金属板を基材とし、表面に意匠性に富む柄(自然石やレンガ調のエンボスを施し、多色塗装したもの等)や金属感を全面に打ち出したものなどがある。芯材には、硬質プラスチックフォームや石膏ボードがある。表面材に金属板を使用することにより、火が侵入しにくく、また、各種複合材がそれぞれの性能で金属板を助け、一層の防火性能を発揮する。単体では、不燃材料・準不燃材料、構造体では準耐火構造・防火構造・準防火構造等がある。

◇窯業系サイディング(5ページ)

森田育男

日本窯業外装材協会

 窯業系サイディングの出荷量は、東日本大震災を乗り越えて、ようやくリーマンショック以前の水準に戻りつつあり、昨年の販売出荷量は、1億7百万㎡であった。この数年間は、新築戸建住宅の外壁の7割以上を占める材料ではあるが、その認知度はまだまだ低い印象がある。これは、戸建住宅の外装に対する関心の度合いと、外装材の種類の見分けがつかないことによると思われる。さらにこれは、一般ユーザーのみならず、一部を除く建築関係者にもいえることである。

◇硬質木片セメント板(5ページ)

難波三男

ニチハ(株)性能評価センター

 我が国における硬質木片セメント板の歴史は昭和39年、三井木材工業(株)が米国のエルメンドルフ社から技術を導入し、センチュリーボードの名称で製造、販売を開始したことに始まる。その後、ニチハ(株)、積水化学工業(株)、大建工業(株)他が参入したが、統合等の諸事情により、現在生産しているのはニチハ(株)(平成13年に三井木材工業(株)を統合)と積水化学工業(株)の2社である。主な用途は住宅用のサイディング、屋根や壁他の下地材で、サイディング用途は、ニチハ(株)が複数種を有する材料の集約によって硬質木片セメント板のサイディングの生産を中止したことにより、積水化学工業(株)がセキスイハイム・ツーユーホーム用に生産する自社消費分のみとなった。一方、下地材用途はニチハ(株)が耐火野地やベランダ下地として生産し一般市場へ販売している。下地用の硬質木片セメント板は現在は野地用途が主であるが、本稿ではこれを外壁下地、特に鉄骨造の外壁下地に用いる例について述べる。

 

 

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