特集「建築物各部位の安全性 その2 屋根」

No.436 2014/5月号

特集「建築物各部位の安全性 その2 屋根」

 

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◆防災随想

耐震診断・改修設計における社会とのコミュニケーション(1ページ)

金箱温春

金箱構造設計事務所/(一社)日本建築構造技術者協会会長

◆特集「建築物各部位の安全性 その2 屋根」

◇はじめに(2ページ)

栗田紀之

建築環境ワークス協同組合 理事

 「屋根」とは何か。もはや完全な日常語となっている。「屋根」は、例えば、建物の最上部に設けた覆いであり、通常は、雨、雪、日光などを防ぐ外皮としての機能を持っているものと説明できるが、術語としての特別の定義ではない。「屋根」は言葉としてもたいへん古く、すでに万葉集に現れている。「板葺の黒木の屋根は山近し明日取りて待ち参り来む」(大伴家持)。

◇瓦屋根の安全性(5ページ)

岡田 恒

公益財団法人 日本住宅・木材技術センター

 東日本大震災では、多くの瓦屋根が被害を受けた。実は被害地震のたび、瓦の落下の被害が報告されている(写真1)。また、強風による飛散被害も少なからずある。このような被害に対し、瓦をはじめとする屋根葺き材について、関係者は、手をこまねいていたわけではない。ただ、一朝一夕に被害を無くすことは、様々な障害があり、容易ではない。ここでは、被害を少なくする取り組みの1つとして、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(以下、ガイドラインと呼ぶ)を紹介したいと思う。

◇茅葺き屋根の火災特性と防火対策(5ページ)

後藤 治

工学院大学建築学部

 茅葺き屋根は、日本の伝統的建築物に用いられている代表的な屋根のひとつである。「茅葺き」は、穂が長く伸びた植物の茎を切断し束ねてつくった屋根材を葺く方法を総称したもので、世界各地に、「茅葺き」は存在する。材料の「茅」になる代表的な素材は、日本では、ススキ、ヨシである。稲わら、麦わらを用いたものを、区別して「藁葺き」と称す場合もあるが、学術的にはそれらを含めて茅葺きと呼ぶ。

◇鋼板製屋根の耐風安全性(6ページ)

喜々津仁密

独立行政法人建築研究所

 鋼板製屋根は長尺の薄鋼板を所定の断面形状に成形したものであり、一般に折板屋根と平板ぶき屋根(瓦棒ぶき、立平ぶき等)に分類される(図1)。屋根に軽快なファサードを与え、意匠性や経済性にも優れていることから、鋼板製屋根は戸建住宅、生産施設及び商業施設等、あらゆる用途や規模の建築物に用いられている。その一方で、台風や竜巻等突風による被害事例が見られることも事実であり、関連業界が中心となって「鋼板製屋根構法標準SSR2007(以下SSR2007)」1)、「鋼板製屋根・外壁の設計・施工・保全の手引きMSRW2014(以下MSRW2014)」2)を整備し、耐風性の確保に資する技術的な知見を提供している。本稿ではこれらの文献の要点を引用しながら、防災上の観点で設計・施工・保全の各段階における耐風性確保に資する考え方を整理する。

◇避雷設備の安全性(4ページ)

山﨑 誠

NIPエンジニアリング株式会社

 落雷被害の対策として昭和27年(1952)8月、建築物の雷保護を主目的とした国家規格『JISA4201:避雷針』が制定された。以来この規格は技術の進歩に整合して、数回の改正が行われてきたが、2003年7月にIEC規格61024:1990、“Protection of structures against lightning Part1:General principles”に整合してJISA 4201:2003『建築物の雷保護』、“Protection of structures against lightning”に改正された。

◆行政ニュース

◇太陽光発電設備に係る防火安全対策の検討結果について(6ページ)

東京消防庁 予防部 予防課

 近年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されるなど、太陽光発電設備の設置が急速に進んでいる。また、技術改良も進み、多種多様な設置方法が出現している。東京消防庁では、平成25年度に外部有識者を交えた「太陽光発電設備に係る防火安全対策検討部会」において、建物へ求める防火安全対策と消防隊の消防活動中の感電防止対策について検討を行った。

 本稿では、その検討結果の概要を紹介する。

◆耐震改修優秀建築・貢献者表彰募集案内

 

 

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