特集特集「竜巻」

月刊「建築防災」
No. 417 2012/10月号
特集「竜巻」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す。
 
◆防災随想
◇文化財建造物の防災計画評価のしくみを-リスク評価に基づく柔軟で現実的な防災対策検討の必要性-/関沢 愛(東京理科大学大学院教授)(1ページ)

 
◆特集「竜巻」
◇はじめに/坂本 功(建築防災編集委員長)(1ページ)

 今年(2012年)5月6日の12時35分ころ、つくば市などで竜巻が発生し、同市北条地区など複数の場所で建物に大きな被害を与えた。そこで本号では、これらの竜巻による被害状況と、突風に対する対策や竜巻被害に対する対応について特集する。
 
◇最近の竜巻発生状況とそのメカニズム/富沢 勝(一般財団法人日本気象協会気象予報士・環境カウンセラー・防災士)(4ページ)
 2006年11月7日北海道佐呂間や今年2012年5月6日茨城県つくば市では国内最大級の竜巻が発生しました。本稿ではこのあたりの件について以下記していきます。
 
◇茨城県つくば市で発生した竜巻による建築物等被害/国土交通省国土技術政策総合研究所 独立行政法人建築研究所(10ページ)
 平成24年5月6日12時35分頃に発生した竜巻により、茨城県つくば市の北条地区、大砂地区及び筑波北部工業団地を中心に建築物等の被害が発生した。国土技術政策総合研究所と建築研究所では、つくば市内での建築物の被害発生直後より、上記の地域での被害の概要を把握するための現地調査を実施した。気象庁の発表によると、この突風をもたらした現象は竜巻であると認められ、当初フジタスケールF2であると推定されたが1)、6月8日にF3に変更された2)。
 
◇栃木県における竜巻被害調査報告/野田 稔(徳島大学大学院准教授)(6ページ)
 2012年5月6日12時40分前後に立て続けに発生した3つの竜巻が、幅およそ500m、長さ約17kmに及ぶ茨城県常総市~つくば市、幅およそ650m、長さ約32kmに及ぶ栃木県真岡市~茨城県常陸大宮市、そして、幅およそ600m、長さ約21kmに及ぶ茨城県筑西市~桜川市のそれぞれの範囲を襲った(図1)。竜巻の強さを表す藤田スケール4)は、順番にF3、F1~F2、F1と判定されたことが気象庁から発表された(6月8日現在)1-3)。
 
◇竜巻等の突風への対策/田村幸雄(東京工芸大学工学部)(6ページ)
 突風という用語を辞書で引くと、“突然強く吹き出し、すぐやむ風”とある。“突然”とは、何の前触れ、予告も無しにある事態が出現することを表す。したがって、突風とは、「思いがけず、急に強くなり、かつすぐやむ風」のことを言い、気象学的には時間的にも空間的にもスケールの小さい現象を言う。そのようなカテゴリに入る強風の代表は、竜巻、ダウンバースト、ガストフロントなどであるが、これらは積乱雲や積雲に起因する。雷を伴っている状況が多く、これらの突風を総称してサンダーストームと呼ぶこともある。
 
◇つくば市竜巻災害対応におけるeコミュニティ・プラットフォームの活用/李 泰榮・長坂俊成((独)防災科学技術研究所社会防災システム研究領域)(4ページ)
 平成24年5月6日12時35分頃、茨城県つくば市では、F3(F:フジタスケール)強度の竜巻(当初F2と推定されたが、6月8日の気象庁発表によりF3に変更)が発生し、同市内の北条地区をはじめ、大砂地区及び筑波北部工業団地を中心に大きな被害をもたらした(図1、図2)。つくば市によると、6月22日現在、死者1名、軽傷者32名の人命被害を出し、建物被害(居宅、居宅以外を含む)も全壊210棟、大規模半壊47棟、半壊197棟、一部損壊839棟の計1,093棟に及ぶ被害が報告されている。
 
◆行政ニュース
◇津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例/浦部 昇(和歌山県県土整備部都市住宅局建築住宅課建築審査班長)(8ページ)

 和歌山県は、紀伊半島の南西部に位置し、沿岸部では、古くから津波による被害を受けてきています。
 さらに近い将来、東海・東南海・南海地震が高い確率で発生することが予測され、その際に発生する津波は本県沿岸部に非常に短い時間で到達することになります。
 
◆ニュース
◇「都市機能の維持・回復のための調査・研究」(平成24~28年度)を始めるにあたって/中島正愛(京都大学防災研究所)、梶原浩一(防災科学技術研究所)、小鹿紀英(小堀鐸二研究所)、野澤 貴(京都大学防災研究所)(5ページ)

 文部科学省の地震防災研究戦略プロジェクトは、将来発生することが懸念される巨大海溝型地震や津波への対応、首都直下地震等の都市災害への対策に貢献する調査研究、将来の地震の規模等を把握するための海底地殻変動観測を重点的に実施するものであり1)、図1に示すようなプロジェクトや研究が展開されている。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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その他詳細につきましては、下記事務局までお問い合わせ下さい。
一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係
東京都港区虎ノ門2-3-20 虎ノ門YHKビル
電話:03-5512-6453 FAX:03-5512-6455
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