特集「平成23年度耐震改修優秀建築等表彰」

月刊「建築防災」
No. 410 2012/3月号
特集「平成23年度耐震改修優秀建築等表彰」
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す。
◆防災随想
◇文化としての防災/矢代嘉郎(清水建設(株)技術研究所顧問)(1ページ)

 
◆特集「平成23年度耐震改修優秀建築等表彰」
◇平成23年度耐震改修優秀建築等表彰と表彰結果/池田博文(財団法人日本建築防災協会業務部)(4ページ)

 受賞されました皆様、おめでとうございます。
 本会では本年度、既存建築物の耐震化の一層の促進に資するため、耐震改修優秀建築等表彰制度を創設し、平成24年2月21日(火)に第1回目の表彰式を開催しました。
 
◇耐震改修優秀建築等審査にあたって/和田 章(耐震改修優秀建築等表彰審査委員会委員長)(4ページ)
 我々の世代が耐震工学を学び、実務の設計を始めたころ、1968年5月の十勝沖地震、1971年2月のサンフェルナンド地震によって、数階建ての鉄筋コンクリート構造の被害が起き、それまでにも主張されていたことだが、耐震構造物には強度だけでなく靱性を持たせることが必要なことがはっきりした。日本建築学会の鉄筋コンクリート構造計算規準が改定され、柱のせん断破壊を防止し靱性を高める方法が取り入れられたのは、1970年の夏である。
 
◇耐震改修優秀建築表彰賞牌の作成にあたって/三井所清典(芝浦工業大学名誉教授)(2ページ)
 賞にふさわしい賞牌をデザインする。これは責任の重い仕事である。
 耐震補強は、さまざまな条件を持つ既存の建物を安全な建物として安定させる技術である。しかもこの賞は、ふさわしいデザインと適切な技術で建物を再生した仕事にかかわった人々と建築とを評価し、選ばれたものに与えられる賞である。そして賞牌はその評価を保証するものでなければならない。これが賞牌のデザインに取組んだ最初の思いであった。
 
・日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞 建築概要
 
◇株式会社 阪急阪神百貨店 千里阪急の耐震改修トライアングルフレームによる外観イメージの継承/山根一三((株)竹中工務店品質管理部)(5ページ)
 
 千里阪急は大阪北部に位置する千里ニュータウンのコア施設として、1970年にターミナル駅前に建設された郊外型百貨店である。
 シンプルな矩形の端整なフォルムは、駅前のシンボルとして地域住民に長く親しまれ、発展し続ける街の中心にあって、現在にあっても重要な機能を担い続けている商業施設である。
 
◇静岡県庁 東館制震改修と西館免震改修/向野聡彦・小野潤一郎((株)日建設計・構造設計部門)(6ページ)
 逼迫する東海地震に対し、静岡県においては継続的に耐震対策が講じられてきている。本件は、阪神淡路大震災直後に「行政機能維持」という、より高い性能向上を目指した静岡県庁の2棟である。県の方針を(財)日本建築防災協会内に設けられたSPRC委員会が受け、その可能性を検討することとなり、元設計者である日建設計が作業協力を行うこととなった。
 
・耐震改修優秀建築賞 建築概要
 
◇蛭川公民館(蛭子座)の耐震改修/篠田 諭((株)宮本忠長建築設計事務所 専務取締役)・松橋寿明((株)宮本忠長建築設計事務所 設計監理主管)(6ページ)
 岐阜県東濃地域は農村地歌舞伎の盛んな地域である。江戸時代よりそれぞれの集落には芝居小屋があり、郷土芸能が定着し、現在もその文化が伝承されている。中津川市には、戦後くらいまで34件の芝居小屋があった。それらの多くはすでに失われているが、現在も、保存活用されている建物は、蛭子座(蛭川地区)を含め、3件である。
 
◇霞が関コモンゲート・中央合同庁舎第7号館における官庁棟保存部分(旧文部省庁舎)の改修/梅野 岳((株)久米設計 環境技術本部)・内山晴夫((株)久米設計 構造設計部)・鈴木裕美(大成建設(株)設計本部)(7ページ)
 霞が関コモンゲート・中央合同庁舎第7号館は、文部科学省、会計検査院、金融庁、文化庁等の中央官庁と、民間の事務所(一部店舗)とを合築するPFI事業として建設された。計画施設は2棟の高層タワー(官庁棟、官民棟)と低層店舗、および旧文部省庁舎を保存活用した保存部分とで構成されており、延べ床面積約25万㎡に達する。(写真1)
 
◇四国銀行本店の耐震改修/篠崎洋三・中川雄一朗・古賀威信(大成建設(株)設計本部)(5ページ)
 四国銀行は、高知市に本店を置く高知県でもっとも大きな地方銀行である。明治11年(1878年)の創業以来130年の長きにわたり、“地域の皆さまに最も愛され、親しまれ、信頼される銀行”をモットーに、地域社会に貢献することを使命として今日まで歴史を積み重ねて来た。
 
◇和光本館の耐震改修プロジェクト/小川彰宏(清水建設(株)設計本部 設計長)(6ページ)
 和光本館が竣工したのは、昭和7年(当時は服部時計店)。構造設計は江國正義氏(旧姓田中)である。地上7階、地下2階、塔屋1階であり、当時の最先端技術である鉄骨鉄筋コンクリート造(写真1)である。地下階についても、「当時地下2階の建物は、東京では初めての試みで、固い地盤の掘削にはツルハシではとても歯が立たず、当時最新鋭機の電気シャベルを併用しながら掘り下げた。」と工事を担当した清水組(現清水建設)の吉川清一は手記で述べている。戦後はPX(進駐軍向け小売り店舗)として接収されたが昭和27年に解除された。
 
・優秀建築表彰 日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞 受賞者所感
 
◇株式会社 阪急阪神百貨店 千里阪急の耐震改修 日本建築防災協会理事長賞を受賞して/前野敏元((株)竹中工務店設計部)(1ページ)
 第1回目となる「平成23年度 耐震改修優秀建築物等表彰」において栄誉ある日本建築防災協会理事長賞・優秀建築賞を受賞させて頂きましたこと、非常に感慨深く受け止めております。
 
◇静岡県庁 東館制振改修と西館免震改修 日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞を受賞して/向野聡彦((株)日建設計構造設計部)(1ページ)
 このたびは、幸運にも第一回日本建築防災協会理事長賞・耐震改修優秀建築賞を受賞することになり、身に余る光栄に存じます。応募者を代表して心よりお礼申し上げます。本件は、東海地震を想定し、大地震後の行政機能維持という性能向上を目指した、静岡県庁舎の耐震改修2棟であります。
 
・貢献者表彰 日本建築防災協会理事長賞 受賞者所感
 
◇建築再生のあるべき姿/青木 茂(首都大学東京戦略研究センター教授・(株)青木茂建築工房主宰)(1ページ)
 ちょうど30年前、北イタリアのベローナで出逢ったカルロ・スカルパの建築は、僕に新たな建築の在り方を教えてくれた。日本では、今日までほとんど行われていなかった再生建築である。そこには、その建築から発せられる歴史性と新たに付け加えられた建築とが、全く予期せぬ物語を僕に語った。それはベローナという都市の歴史と建築の歴史を「君は理解できるか」ということを僕に突き付けるような、そしてエレガントな建築に再生されていた。
 
◇日本建築防災協会理事長賞受賞にあたって/南 宏一(福山大学・名誉教授)(1ページ)
 このたび、日本建築防災協会理事長賞として貢献者表彰を受賞いたしまして、大変光栄に思い、かつ、身の引き締まる思いをしております。
 この賞は、耐震改修の促進および耐震改修技術の発展等に顕著な貢献を果たした事に対して与えられる賞でありますが、私がこのような賞をいただく者としてふさわしい事をなし得てきたのかと思いつつ、表彰式の岡田恒男先生のお話を聞いておりました。
 
◆関係団体ニュース
◇東京都定期調査報告連絡会の結成について/石田隆則((財)東京都防災・建築まちづくりセンター 東京都定期調査報告連絡会事務局)(2ページ)

 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係
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