特集「建築防災関連用語ー似ているがここが違うー その3」
特集「東日本大震災における被害と復旧」

月刊「建築防災」
No. 408 2012/1月号
特集「建築防災関連用語ー似ているがここが違うー その3」
特集「東日本大震災における被害と復旧」
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す。
◆防災随想
◇集合住宅の耐震改修/中川博光((独)都市再生機構住宅経営部)(1ページ)

 
◆特集「建築防災関連用語ー似ているがここが違うー その3」
◇「耐震壁」「耐力壁」「準耐力壁」「非耐力壁」「非構造壁」「支持壁」「帳壁」/坂本 功(東京大学名誉教授)(1ページ)

 「耐震壁」は、建築物の地震時水平力を負担する壁をさす。とくに、水平力として風圧力よりも地震力が大きい鉄筋コンクリート造のラーメン構造に組み込まれた壁に対して使われることが多い。なお、「非耐震壁」ということばはない。
 
◇「耐震補強」「耐震改修」/中埜良昭(東京大学生産技術研究所)(1ページ)
 耐震改修と耐震補強は、異なる概念であるかというと、ある時はほぼ同義語として用いられることもあり、またある時は区別して用いられることもあるようだが、筆者はこの両者を以下のような定義で区別されるのが一般的であると理解している。
 
◇「発火温度」「引火温度」と「燃料支配型燃焼」「換気支配型燃焼」/山田常圭(東京大学大学院 消防防災科学技術寄付講座)(2ページ)
 火災を支配する化学的現象である燃焼現象は、炎のような光や熱の発生を伴う急激な酸化反応である。燃焼の3要素として、①可燃物、②空気、③熱的な環境(温度、着火源等)が挙げられるが、火災が始まる原因として③の熱的要素は特に重要である。
 
◇「建築主事」「特定行政庁」と「建築確認」「計画通知」/吉野敏郎(東京都都市整備局市街地建築部)(1ページ)
 建築物を建築しようとする場合には、建築主はあらかじめ、その計画が建築物の敷地、構造および建築設備に関する法令に合っていることについて、「確認」を受ける必要がある。
 
◇「違反建築物」「既存不適格建築物」/吉野敏郎(東京都都市整備局市街地建築部)(1ページ)
 違反建築物とは、建築物を建築した当初から建築基準法に合っていなかったり、当初は合っていてもその後の増改築などにより、法令に合わなくなった建築物のことをいう。すなわち、建築物の大きさ、高さ、構造など、建築基準法に定められている規定を守っていなかったり、建築確認申請をしなければいけなかったのに、しなかった建築物などが違反建築物となる。
 
◇「定期調査」「定期検査」「定期点検」/吉野敏郎(東京都都市整備局市街地建築部建築企画課)(1ページ)
 定期調査とは、劇場、映画館、ホテル等、不特定多数の人が利用する特殊建築物等(国等が所有又は管理する建築物を除く。)について、敷地、一般構造、構造強度及び防火・避難関係を用途・規模によって毎年又は3年ごとに、調査資格者(1級建築士等)が調査し、特定行政庁に報告するものである。
 
◇「防音」「遮音」「吸音」/齋藤秀人(清水建設(株)技術研究所)(2ページ)
 身のまわりは騒音だらけだ。自動車や電車の交通騒音は部屋の中にまで入ってくる。飛行場や工場の近くでは騒音対策が求められる。家にいても隣近所のテレビやピアノの音が聞こえ、生活感があるとも言えるが、うるさいと思うこともあるだろう。マンションなどでは窓から聞こえてくる音の他に、真上の階で子供が飛び跳ねたり家具を動かしたりする音も聞こえる。
 
◇「断熱」「遮熱」/齋藤秀人(清水建設(株)技術研究所)(1ページ)
 室内火災では、初めはチョロチョロと燃えていた炎がカーテンなどに燃え広がる。ここまでで初期消火ができないと、やがて充満した可燃性ガスが爆発的に燃焼して盛期火災になる。温度は1,000℃にも達し、もちろん人間は生きていられない。構造躯体も高温になってダメージを受ける。コンクリートや鉄は燃えないが、強度が低下してしまう。
 
◆特集「東日本大震災における被害と復旧」
◇東日本大震災における通信ビル・設備の被害と復旧活動/小牟田 保((株)NTTファシリティーズ 東北支店 副支店長)・横田和伸((株)NTTファシリティーズ 建築事業本部 担当部長)・坂元剛夫((株)NTTファシリティーズ 建築事業本部 担当課長)(4ページ)

 2011年3月11日14時46分、宮城県三陸沖を震源とする、わが国観測史上最大となるマグニチュード9の大地震が発生し、関東から東北の広い範囲で震度5以上の大きな揺れを観測し、特に震源地に近い宮城県では、栗原市で震度7、仙台市でも震度6弱を記録しました。
 
◇東日本大震災における下水道施設被害と復旧について/山本尚樹((社)日本下水道協会技術研究部)(6ページ)
 東北太平洋沖地震によって、下水道施設は未曽有の被害を受けました。特に、沿岸部に立地した下水処理場やポンプ場(揚水、排水施設)においては、津波により、土木・建築物の一部と機械・電気設備のほとんどが破損し、運転停止の状況に追い込まれました。また、電力、燃料や薬品等の供給停止により十分な下水処理を行うことができない施設も多く発生しました。
 
◇東日本大震災と都市ガス/森田孝史(一般社団法人 日本ガス協会)(7ページ)
 日本に未曾有の被害をもたらした、東日本大震災であるが、都市ガス事業においても、東北から関東にわたり、多くの影響があり、供給停止を行った事業者は16事業者に及んだ。
 
◇鹿島臨海鉄道における鉄道施設の被害と復旧について/富嶋稔夫(鹿島臨海鉄道株式会社総務部)(5ページ)
 弊社は、旅客線である大洗鹿島線と貨物専用線である鹿島臨港線を運行している。
 大洗鹿島線は、JR常磐線水戸駅を起点として鹿嶋市の鹿島サッカースタジアム駅に至る53.0㎞であるが、鹿島サッカースタジアム駅よりさらに3.2㎞先のJR鹿島神宮駅まで直通乗り入れをしている。
 
◇平成23年東北地方太平洋沖地震・津波による港湾施設被害/菅野高弘((独)港湾空港技術研究所)(7ページ)
 港湾施設の被害について、現地調査に基づき報告する。なお、地震と津波の両者が作用した結果としての残留状態の被害を調査していることになる。 すなわち、岩盤や地盤を媒体として伝播する地震動の硬い岩盤では7km/s程度の速度に対して、津波の場合水深に依存し(g:重力加速度、h:水深)、例えば水深4000mとすると約200m/sとなる。このため、地震動が作用した後に津波が作用することになる。東北地方から関東地方にかけて広域で被害が発生しているが、津波については岩手県と宮城県の県境を中心として北は宮古、南は相馬付近で特に高く10m以上の痕跡高となっている。三陸地方の海岸保全施設は、主に明治三陸津波(1896年)を既往最大として整備が進められていることが多いが、岩手県南部より南の地域では、約2倍近くの痕跡高が観測され、いわゆる「想定外」の津波が来襲したことになる。
 
◇ツーバイフォー住宅を中心とした被害調査について/辻村行雄((社)日本ツーバイフォー建築協会)(7ページ)
 この調査報告は、当協会(会長:生江隆之)の東北地方太平洋沖地震緊急対策本部地震被災状況調査WG(主査:財団法人日本住宅・木材技術センター理事・試験研究所長 岡田恒)及び会員からの情報提供から取りまとめたものである。
 
◇地震保険制度と損害保険業界の東日本大震災への対応/召田幸大((社)日本損害保険協会 業務企画部地震・火災・新種グループ)(7ページ)
 わが国は世界有数の地震国であり、古くから地震を数多く経験してきたが、とりわけ2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は、M9.0という巨大地震で、これに伴い発生した大津波の影響により、死者15,840人、行方不明3,611人、建物被害1,005,421棟(2011年11月24日現在、警察庁調べ)という未曾有の被害となった。
 
◆寄稿
◇中国耐震建築人材育成プロジェクトにおける活動を終えて/水谷明大(国土交通省 国土技術政策総合研究所 危機管理技術研究センター 建築災害対策研究官)(10ページ)

 現在中国において2009年6月1日から2013年5月31日までの4年間の計画期間で、JICA技術開発プロジェクトとして「耐震建築人材育成プロジェクト」が実施されています。筆者は当プロジェクトの長期専門家として、現地でプロジェクト立上げから約2年5箇月活動し、去る9月30日に帰国しました※1。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係
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