特集「建築防災とガス」

月刊「建築防災」
No. 383 2009/12月号
特集「建築防災とガス」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す。
 
◆防災随想
◇建物の耐震化に向けて-地方における人材育成の取組み-/稲田祐二(米子工業高等専門学校 建築学科)(1ページ)

 
◆特集「建築防災とガス」
◇火災による有毒ガスの発生/仲谷一郎(財団法人建材試験センター性能評価本部)(4ページ)

 火災によって死者が出ると、有毒ガスが発生し、それによって死んだのではないかと、マスコミの方々が騒ぎ立てることとなる。仮に、火災の度に死者が出るような濃度の有毒ガスが、常に発生するのであれば、消火活動に従事する消防関係者の方々の健康被害について、きちんと議論する必要があることになる。しかし、実際には、火災による死者の多くは、火傷(やけど)によるものがほとんどであるといわれている。とはいっても、有毒ガスの影響で、避難に障害が生じたおそれは否定できないし、消火活動に従事される消防関係者の方の健康被害について、気にする必要がないということではない。これらの点については、徳留先生が、詳しく説明してくださると思われるので、後の稿に譲ることとするが、化学的な観点からこのことについて、考察を加えていくこととする。
 
◇東京消防庁管内におけるガス爆発火災の発生状況/東京消防庁予防部予防課(5ページ)
 東京消防庁管内で発生したガス爆発火災を最近5年間についてみてみると、毎年40~50件前後で推移しています。(表1参照)
 また、近年では地中から発生する可燃性天然ガスによる爆発火災等の特異なものもみられます。
 ここでは、東京消防庁管内で発生したガス爆発火災の年別の火災件数、火災種別、死傷者数の状況、火災原因及び建物用途別の発生状況を示すとともに、特徴的な火災事例について紹介します。
 
◇ガスによる消火/小林恭一(東京理科大学総合研究機構 火災科学研究センター教授)(8ページ)
 ガスを消火剤として用いる消火設備(ガス系消火設備)には、二酸化炭素、窒素、ハロンガスなど、ガスの種類によって様々なタイプのものがあり、それぞれ、消火能力、消火特性、人体危険性、環境に対する影響、価格などの点で一長一短がある。ガス系消火設備は、電気的絶縁性が高く消火の際に周囲を汚損することも少ないという長所がある一方、上記のような様々な特性や欠点もあるので、消火対象や場所に応じて使い分ける必要がある。
 
◇火災により発生した有毒ガスの人体への影響/前田純子・束田千絵・黒須 明・山内 忍・一杉正仁・長井敏明・徳留省悟、(獨協医科大学法医学講座)、相良博典(獨協医科大学越谷病院呼吸器内科)(8ページ)
 火災現場には、一般住宅火災から歌舞伎町のビル火災やホテルニュージャパンのようなホテル火災など大量の死傷者を出した大規模火災まで様々なものがある。また、それらの火災現場から発見される焼死体には様々なケースがある。例えば、病死に絡む死体、犯罪に絡む死体、自殺に絡む死体、そして、災害死に絡む死体である。
 ここでは、災害死に絡む死体の死因についてと、最近問題となっている火災時の燃焼ガスについて述べる。
 
◆災害報告
◇平成21年8月11日に発生した駿河湾を震源とする地震による静岡県内の建築物等の被害報告/柳 敏幸(静岡県総務部財務局営繕工事室専門監)、大石武司(静岡県県民部建築住宅局建築安全推進室主幹)、鈴木行雄(静岡県県民部理事兼建築住宅局長)、酒井章次(静岡県総務部理事(営繕担当))(12ページ)

 平成21年8月11日(火)午前5時7分に駿河湾御前崎沖を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、図1のとおり静岡県内では、伊豆市、焼津市、牧之原市、御前崎市の4市で震度6弱を、8市町で震度5強を観測した。
 
◆行政ニュース
◇建築安全センターの開設と取り組みについて/白石 明(埼玉県都市整備部建築安全課)(2ページ)

 埼玉県では12ある埼玉県県土整備事務所で従来行っていた建築・開発に関する各種申請・届出の審査などの業務を、平成21年4月から3つの建築安全センターと5つの駐在に整理再編し、建築物の現場パトロールなどを充実する新しい体制にした。これにより、建築確認中心の行政から現場重視の行政に大きく変革し、建築物の偽装0事故0完了検査率100%を実現することによって建築物の安心・安全を徹底していくことにした。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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