特集「室内の地震被害と対策」

月刊「建築防災」
No. 379 2009/8月号
特集「室内の地震被害と対策」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す。
 
◆防災随想
◇住宅・建築物(非住宅)の省エネ管理/中島修一(ダイケンエンジニアリング(株)(1ページ)

 
◆特集「室内の地震被害と対策」
◇室内の地震被害/長尾直治(神戸大学工学研究科建築学専攻)(6ページ)

 室内での地震時の直接の死傷原因は、ほとんどが家具およびその内容物の移動・落下である。また、室内の地震被害には建具や非構造要素の耐震性が関係している。
 
◇大地震を受ける超高層建物内部の被害様相と防災啓発/長江拓也(独立行政法人防災科学技術研究所)(6ページ)
 太平洋沿岸のプレート境界において、マグニチュード8クラスの巨大な地震が今世紀前半のうちにほぼ確実に発生します。このとき、ゆっくり揺れる成分に力を有する長周期地震動が内陸に伝わり、超高層建物群を強く揺さぶります。本稿では、超高層建物内部における居室の被害様相を忠実に再現した実験をご紹介します。記録されたビデオ映像は、インターネットからダウンロードすることができます(http://www.bosai.go.jp/hyogo/movie.html)。これらが、防災啓発等の実践的な場面で活用されることを期待し、ここでは実験の背景、条件、結果について詳しく解説します。
 
◇家具類の転倒・落下防止対策の実験結果について/東京消防庁防災部防災課(5ページ)
 
 東京消防庁では、近年発生した地震災害における人的被害の発生要因、とりわけ家具類の転倒・落下による負傷者について着目し、被災現地でのアンケート調査等を実施している。その結果、地震による負傷者の3~5割が、室内における家具類の転倒、落下物によることが判明した。
 
◇オフィス空間の地震対策/((社)日本オフィス家具協会(JOIFA))(4ページ)
 
 いつ起きてもおかしくないと言われている東海地震や首都直下型地震の切迫性も指摘されており、企業にとって最も大切な人命の安全と情報・資産の保全を確保するためにもオフィスの地震対策は必定である。東京都総務局「首都直下地震による東京の被害想定報告書」によると、東京湾北部を震源としたマグニチュード7.3の地震が冬の夕方(18時)に発生した場合、都内全域で約54,500人が「家具類の転倒、落下(屋内収容物の移動、落下)」により負傷すると想定されている。家庭はもとより大規模・高層ビルのオフィスにおいてはなおさらである。被害の軽減措置として家具類の転倒・落下防止対策が重要であることは言うまでもない。6月1日に大地震発生時等の大規模・高層ビル等における防災体制の整備をはかる消防法の改正が施行され、再び地震対策への意識も高まってきている。
 
◇全国の世帯における家具の固定状況/金子美香(清水建設(株)技術研究所)(5ページ)
 
 地震時の室内での怪我を防ぐためには、日頃から家具等を固定して、倒れないようにしておくことが重要です。このことは、多くの人がご存知だと思います。しかし、実際に家具の固定は、一般の家庭に普及しているのでしょうか。
 
◇そこ、すごく危険です!~音声誘導する室内ビデオモニタリングシステム~/岡田成幸(名古屋工業大学)(5ページ)
 地震時の負傷回避に家具固定の有効性が言われているにもかかわらず、近年の地震(2003年宮城県北部地震等)においても、尚、負傷者は多く、その原因は家具によるものが全体の半数を越えている(東京消防庁調査)。なぜであろうか。金子・他1)によるインターネットによる全国調査では、自宅保有の家具のほとんどを固定している世帯は4%に過ぎない。この数値は、何らかの家具対策をしている世帯(33%)に限定して算出し直しても10%程度に過ぎない。筆者らによる調査でも同様である。家具固定専門業者に依頼しても一世帯の全保有家具の44%しか固定はかなわなかった。すなわち、家具固定を意識している世帯においても、家具を全て固定することは不可能なのである。我々は家具固定の限界をそろそろ知るべきなのである。本稿は、家具固定に加えて、次にすべき対策について論考し、具体的に提案するものである。
 
◆行政ニュース
◇東京都における建物の耐震化への取り組み

 
 
 

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