特集「「はかる・調べる」 その4既存建築物の構造を調べる」

月刊「建築防災」
No.375 2009/4月号
特集「「はかる・調べる」 その4既存建築物の構造を調べる」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇環境問題と防災/岡崎健二(政策研究大学院大学教授)(1ページ)

 
◆特集「はかる・調べる」 その4 既存建築物の構造を調べる
◇材料強度・中性化・かぶり厚さ/濱崎 仁((独)建築研究所)(5ページ)

 建物の設計では、建物や部材に必要な性能が設定され、それを満足するために材料の強度や配筋などが指定される。したがって、材料の強度が確保され、また鉄筋等が適切に配置されていることは、建物の健全性を確保する上での前提となる。また、コンクリート構造物の耐久性を評価する場合、中性化の進行とかぶり厚さが重要なファクターとなる。
 
◇常時微動測定による振動モードの推定方法/林 正司(芝浦工業大学工学部建築学科)(5ページ)
 地盤は、常時微少な振動を続けており、これは交通機関などの人工的な振動源と、自然現象に起因するものがある。この振幅は通常数ミクロン以下であるが、地盤だけの常時微動測定結果から、地盤の微動は充分に周辺地盤の特性を含んでいると見なすことができる。
 
◇鉄骨構造の非破壊試験による調査/池ヶ谷 靖((株)ジャスト 技術部)(6ページ)
 鉄骨構造において、既存構造物の構造調査では多くは目視による調査が行われる。
 しかし、目視での調査では表面に現れた異常(変色・変形・腐食・各種のきず等)を検出できるだけで部材内部の異常(腐食の進行・材質の変質・き裂の進行等)や内面の異常(き裂発生・腐食進行等)は検出できない。
 
◇木質構造 腐朽・蟻害を調べる/桃原郁夫(森林総合研究所)(5ページ)
 
 近年、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」や「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が相継いで成立し、長期間にわたって使用可能な優良な住宅ストックの確保に向けた動きが加速している。このような住宅の確保には、建築時に高い性能をもった住宅を建てておくことはもちろんであるが、それだけでは不十分で、適切な維持・保全をおこなって初めて確保することが可能となる。
 
◇木質構造住宅 微動をはかる/大橋好光(東京都市大学教授)、田端千夏子(三重大学助教)(4ページ)
 木造建物の振動計測は、鉄道・道路などの交通振動による障害や、床の振動障害が生じたときに利用されることが多い。ここでは、振動計測を、建物の耐震性の評価に利用する試みを紹介する。
 既に建っている建物の耐震性能を評価するには、設計図書や現地調査に基づいた耐震診断を行うのが一般的である。しかし、設計図書を紛失している住宅が多く、また、現地調査では劣化の程度の判定が難しいという問題がある。
 
◇木造住宅の接合部をX線撮影で調べる/伊野仁士(株式会社イノラボ)(5ページ)
 近年、建物の倒壊などの地震災害に対する居住者の不安を背景に、木造住宅の構造安全性に対する関心が高まっている。弊社では建物調査をおこなっているが、既存住宅所有者からは耐震診断の依頼、新築住宅購入者からは所定の構造性能が確保されているか(設計図面通りに施工されているか)を検証してほしいとの依頼が増えてきている。
 
◇赤外線サーモグラフィによる筋かいの調べ方/作中隆之((株)菱サ・ビルウェア横浜支店ビル管理部技術課)(3ページ)
 木造建物の中でも、在来軸組工法による建物の耐震診断を行う上で必要な情報の一つとして、筋かいの配置がある。
 通常は壁内部に隠れて見えない筋かいの有無を確認する方法として一般的なのは、床下や小屋裏からの目視による確認である。
 しかし、床下や小屋裏は空間が狭く作業性が悪い。また、進入が困難な箇所や部材の納まりによっては筋かいの確認が不可能な場合もある。
 
◆災害報告
◇中国中央電視台(CCTV)新本部北棟ビル火災の教訓及び高層建築防火対策/劉 文利(Liu Wenli)(中国建築科学研究院 建築防火研究所(訳:砺波 匡 JICA専門家/国土交通省))(3ページ)

 2009年2月9日、夜20時27分、中国中央電視台(CCTV)新本部北棟ビルで火災が発生し、火はビル屋上から発火し、瞬く間に外壁から階下へと燃え移った。21時10分、火災が発生したビルの北側にある10数階建てのビルの住民を避難させた。21時10分前後、近隣のビルの住民、約1,000人余りの避難完了。同10日、午前2時頃、消防士の消火活動により、火災が完全に消し止められた。
 
 
 

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