特集「「はかる・調べる」 その2地盤を調べる」

月刊「建築防災」
No.373 2009/2月号
特集「「はかる・調べる」 その2地盤を調べる」
 
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◆防災随想
◇耐震化キャッチコピーを決定しました~ きっと来る その日に備えて 耐震化 ~/金子 博(東京都都市整備局市街地建築部)(1ページ)

 
◆特集「はかる・調べる」 その2 地盤を調べる
◇総論/時松孝次(東京工業大学教授)(4ページ)

 建築物を安全で合理的に設計、施工し、その生涯に渡って健全性を確保するためには、敷地とその周辺も含めて、地盤の構成ならびに各地層の性状を、地盤調査によって的確に把握し、設計施工に反映させることが必要である。これらの地盤情報は場所ごとに異なることから、注意深く、その概略を把握することからはじめ、その情報をもとに基礎形式と施工法を決定し、その検討に必要な詳細な地盤調査を適切に行う。地盤に関する情報とは、設計や施工に直接必要となるものだけでなく、環境問題に関わる情報や埋蔵文化財などに関する情報も含まれる。以下では、これらを調べるための「地盤調査」について外観する。
 
◇地盤の微小なゆれ方をはかる/山中浩明(東京工業大学)(6ページ)
 地震時でなくとも地盤は微少な振幅で常に揺れている。微動は、常時微動、脈動、雑微動などともいわれ、19世紀末の計器による地震観測が始まった頃からその存在は認識されている。微動は、地震観測ではノイズとなり、如何にして微動レベルの低い場所で観測を行うかが微小地震の観測で重要となる。一方、微動を利用する試みも同じ頃から行われている。わが国では、地震工学や地震防災における微動の活用に関する歴史も古く、パイオニア的研究の多くは、日本で行われたと言っても過言ではない。とくに、金井清先生のグループによる一連の先駆的研究は、その後の微動の研究に多大な影響を及ぼし、今日でも、微動は観測の簡便さから多くの研究者や実務者によって活用されている。最近では、計測技術の向上によって微動を同時に複数地点で観測することも比較的容易になり、より精度の高い微動の利用である微動探査へと展開されている。ここでは、微動の基本的な性質と地震工学的利用例について紹介する。
 
◇液状化の可能性を調べる/内田明彦((株)竹中工務店技術研究所)(5ページ)
 地震時に砂質地盤が液状化すると一時的に地盤の支持力が喪失し、構造物を支える基礎が傾斜したり杭が被害を受けたりすることがある。基礎の被害は地上からは確認しにくいため一見してもよくわからないが、上部構造物に目立った被害がなくても構造物の利用に大きな支障となる。そのため、構造物の設計にあたってはきちんとした地盤調査を行い、その結果に基づいて対象地盤の液状化可能性を評価することが重要である。本報告では、液状化による被害の特徴を概説するとともに液状化の可能性を調べる方法および結果の利用について述べる。
 
◇地盤の硬さを測る―標準貫入試験、N値―/加倉井正昭((株)東京ソイルリサーチ)(6ページ)
 標準貫入試験結果から求められるN値はタイトルの「地盤の硬さを測る」というように地盤の土質別の支持力、強度、剛性の推測、液状化の予測など広い範囲に使われており、地盤調査を行えばほとんどの場合必ず行われる試験である。逆な言い方をすれば、現在の基礎設計においてN値が無ければ設計できないと言っても良い。ここでは標準貫入試験の方法とその適用について述べるとともに、最近戸建住宅で使われることの多いスウェーデン式サウンディング法についても紹介したい。
 
◇地盤の弾性波速度を測る -PS検層-/阿部秋男((株)東京ソイルリサーチ)(4ページ)
 建築物の地震時の安全性を確保しつつ、合理的に設計し、建設するためには地盤の地震時における振動特性を知る必要がある。地盤の振動特性は、地盤の弾性波速度構造に依存する。これを調べる方法のひとつに、ボーリング孔を利用したPS検層がある。PS検層は、直接的に高精度で地盤の弾性波速度を測定できる方法であり、建築分野では最もよく利用されるものである。ここでは、PS検層の方法や結果の利用について設計者や施工者が注意するべき点を概説する。
 
◇土壌汚染を調べる/中島 誠(国際環境ソリューションズ(株)中島研究室)(5ページ)
 土壌汚染の調査は、ある土地に土壌汚染が存在しているかどうかを把握するため、あるいは発見された土壌・地下水汚染に対して適切な対策を講じるために必要な情報を取得するために行われる。
 土壌汚染を調べる場合、まず、最初に、調べようとする土地のどこに土壌汚染が存在している可能性があるかを既存の資料等に基づいて客観的に評価する。その後、その評価結果に基づき試料採取等の計画を立て、計画に則って土壌等(土壌、地下水、土壌ガス)の試料を実際に採取・分析し、それらの試料に含まれる汚染物質の濃度から土壌汚染の有無や範囲・程度を把握する(図1)。
 
 
 

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