特集「火災の最近の動向」

月刊「建築防災」
No.366 2008/7月号
特集「火災の最近の動向」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇地球温暖化とエネルギー問題/中上英俊((株)住環境計画研究所、東京工業大学・特任教授(1ページ)

 
◆特集「火災の最近の動向」
◇火災という災害/菅原進一(東京理科大学総合研究機構、(財)日本建築防災協会副理事長)(5ページ)

 生活につきまとう厄介者の代表は火災である。時の流れと共に、それは姿を変え暮らしを脅かしてきた。災の字は、洪水と山火事の被害から生まれた。しかし、どちらもヒトにとって厄介なものとは限らなかった。自然がまだ豊かであった頃、水は山地から保水・遊水・氾濫の役を担いつつ海へ注ぎ、生活を支えた。山野に蓄えられた滋養水は、時に溢れながら川を下り、河口に氾濫原をつくった。中・下流域には田畑が広がり、人々は丘の住まいを降りて農耕に励み夕暮れと共に家路についた。時には鎮守の森に集い雨乞いをした。
 
◇東京消防庁管内における火災の発生状況/東京消防庁予防部予防課(6ページ)
 東京消防庁管内で発生した火災を過去35年間についてみてみると、1980年代は7,000件程度であった火災件数は年々減少する傾向にあります(図1参照)。また、近年になって特徴的な火災も発生しています。
 ここでは、東京消防庁管内で発生した火災の傾向、火災による死者数の傾向、上階延焼火災や多数避難者が発生した火災等の特徴的な火災事例について紹介します。
 
◇木造建築の防耐火性能-性能規定導入からの展開と今後の課題-/長谷見雄二(早稲田大学理工学術院(建築)教授)(6ページ)
 建築基準法の防火規定の性能規定化が2000年に施行された頃から、木造の新しい可能性にチャレンジする色々な試みが行われ、実績もあがり始めている。
 
◇木造耐火建築物と伝統木造建築の設計事例/安井 昇(早稲田大学理工学研究所客員研究員 桜設計集団一級建築士事務所代表)(7ページ)
 2000年の改正建築基準法施行により、防火法令は性能規定化に向けて大改正された。それから、約8年が経過し、木造建築の防耐火性能に関して、様々な研究開発や実用化、告示化が行われ、2000年以前には、想像もつかなかった建物がつくられるようになってきた。そこで、本稿では、性能規定導入後、市街地の木造建築や大型木造建築に関して、新たに何ができるようになってきているかを、木造による耐火建築物の技術開発や伝統木造の防火性能の再評価などの研究事例も交えながら紹介したい。
 
◇消防法の遡及適用とその効果/小林恭一(危険物保安技術協会理事(元総務省消防庁予防課長))(8ページ)
 多数の死者を伴う建物火災が滅多に発生しないようになって久しい。死者10人以上の火災は、平成13年(2001年)5月の千葉県四街道市の作業員宿舎火災(死者11人)と、同年9月の新宿歌舞伎町の雑居ビル火災(44人死亡)以後、発生していない。その前となると、平成2年(1990年)3月の兵庫県尼崎市のスーパーマーケット火災(死者15人)まで遡らなければならないほどだ。
 
◇放火火災とセキュリティ/安達昭男(ホーチキ(株)(社)日本火災報知機工業会委員)、関沢 愛(東京大学大学院教授)(6ページ)
 江戸時代、日本家屋における建築素材、生活形態、都市形態そして気象条件などから、いったん火の手があがると、延焼により被害が大きく広がる可能性が高かった。そうした意味で町民をはじめ幕府においても火災に対する意識は強く、町民は「火の用心」を心がけ、幕府は放火の取り締まりには「火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)」といった専門の役目を設け非常に厳しく取り締まりを行なってきた歴史がある。
 
◆シリーズ「五重塔①」
◇私の好きな五重塔/濱島正士/(財)文化財建造物保存技術協会理事長(6ページ)

 
 地震には強いとされる五重塔であるが、そのほかの災害たとえば大風では倒れた例があるし、とくに火災には弱く、五重塔や七重・九重の高塔はほとんどが火災によって姿を消している。それゆえ、残されている古代以来の五重塔はごく僅かしかなく、きわめて貴重な存在である。
 ここでは、現存する五重塔の中から私が好きな3塔を選び、構造形式の特徴と主に災害による破損修理について述べる。
 
 
 

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