特集「建築防災に関するシミュレーション」

月刊「建築防災」
No.364 2008/5月号
特集「建築防災に関するシミュレーション」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇既存ストック「減築」の時代/石倉健彦((独)都市再生機構都市住宅技術研究所)(1ページ)

 
◆特集「建築防災に関するシミュレーション」
◇木造住宅、組積造住宅の倒壊シミュレーション/中川貴文((独)建築研究所)(5ページ)

 近年のコンピュータの高性能化に伴って、建築物の地震時の挙動を、汎用の計算ツールを用いた数値解析によって知ることが身近になってきている。しかしながら、建物が倒壊に至るまでを計算によって追跡するには、著しい非線形性を考慮する必要があり、現存する計算ツールでは解析が難しいのが現状である。
 本稿では、筆者らが研究開発を進めてきた木造住宅、組積造住宅の倒壊シミュレーション法について紹介し、倒壊解析の今後の課題等について解説する。
 
◇鉄筋コンクリート造建築物の耐震シミュレーション/斉藤大樹(独立行政法人建築研究所 国際地震工学センター 上席研究員)(5ページ)
 コンピュータの能力が進歩した現在、地震により建築物が崩壊する様子をグラフィックスで本物らしく見せることは、それほど難しくはない。構造計算も、与えられた荷重に対する建築物の応力算定を行うシミュレーションだと思えば、それらしく構造計算を行って、実は偽装だったということがあり得ることは、我々はよく知っている。その教訓から、2007年の建築基準法改正では、とくに鉄筋コンクリート造建築物の構造規定が大きく変更された。本稿では、そうした構造設計との関わりから始めて、耐震シミュレーションの研究状況や課題について述べる。
 
◇東京ガスの地震被害・復旧シミュレーションについて/細川直行(東京ガス(株)防災・供給部)(4ページ)
 都市ガス供給のうち一般家庭でお使い頂いている低圧ガスは、震度が6強以上になると数週間程度以上、供給が停止するとの予想がある。東京ガスでは復旧までの時間を少しでも短くするために、地震防災システム「SUPREME(シュープリーム)」を活用した地震被害シミュレーションの精度向上に取り組んできており、本稿ではその内容を紹介する。また、供給停止地区の復旧に要する日数を算出する復旧シミュレーションについても簡単に紹介する。
 
◇タンジブル災害総合シナリオシミュレータのご紹介/小林和恵、成田篤信(NTTコムウェア(株) 基盤技術本部 研究開発部)(4ページ)
 近年、地震や津波、台風・集中豪雨による水害等、各地で災害が多発する背景をうけ、災害対策の取り組み強化が一層求められています。各自治体では、地域防災計画の策定が義務付けられているほか、「公助・共助・自助」を基礎とした災害救助のための仕組みづくりに力を注いでいます。
 
◇マルチエージェントモデルによる避難シミュレーション/峯岸良和((株)竹中工務店)(5ページ)
 群集流動性状の予測手法としては、従来から歩行者の流れを流体のように抽象化して捉える手法が主流である。しかし、近年では個々の歩行者がその場の状況に応じて行動する様子を再現する、いわゆるマルチエージェントモデルによるシミュレーション手法が多数示されており、避難時の群集流動性状の予測手法としても利用されつつある。本稿では、このようなシミュレーションシステムの一例として、筆者もその実用化に関わっているSimTread注)について、その適用例とシステムの概要について紹介する。
 
◇屋外の熱環境設計とシミュレーション技術の活用/浅輪貴史(エーアンドエー(株)研究開発部)(4ページ)
 都市部では、ここ数年の間に、構造改革と規制緩和により大規模な都市再開発や大型ショッピングモール等の建設が急速に進行してきている。これらの大規模開発においては、屋外環境も重要な設計要件となっており、環境シミュレーションが積極的に実施される場面が増えてきている。これは、研究レベルから実用的なレベルのものまで、様々な環境シミュレーションツールが登場してきたこととも呼応している。本稿では屋外の熱環境設計の視点から、現在の環境シミュレーション技術について概観する。その中で筆者らが実用レベルで開発を進めてきた、3D-CAD(3次元CAD)を用いた屋外熱環境のシミュレーションツールについて紹介をする。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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