特集「新潟県中越地震を振り返る」~ 新潟県中越地震からの復興と教訓 ~

月刊「建築防災」
No.356 2007/9月号
特集「新潟県中越地震を振り返る」~ 新潟県中越地震からの復興と教訓 ~
 
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◆防災随想
◇防災病理学のすすめ/向野元昭(向野技術士事務所)

 
◆特集「新潟県中越地震を振り返る」~ 新潟県中越地震からの復興と教訓 ~
◇長岡市における復興の取り組み/池津勝敏(長岡市復興推進室)(6ページ)

 未曾有の被害を受けた新潟県中越地震から早3年を迎えようとしている。全国からの支援により、被災地は異例の速さで復旧工事が進み、被災前の状況を取り戻しつつある。
 しかし、今回の地震で特に被害の大きかった「中山間地」では、地震からの復興と併せ、過疎対策や地域再生など普遍的な課題にも取り組んでいかなければならない。
 
◇建築関係団体における復興の取り組み/内藤幹雄((社)新潟県建築設計事務所協会 地震対応特別委員長(2ページ)
 新潟県の(社)建築設計事務所協会には平成8年から地震対応特別委員会という珍しい委員会が設置されている。
 これは、阪神大震災後の全国的な既存建物の耐震性見直しの機運に合わせて、情報収集や診断業務の円滑な運営に対する協力を目的としている。
 そして私は、平成16年4月からこの委員長を務めている。主な仕事は(財)日本建築防災協会主催の年2回の全国ネットワーク委員会の出席や各種講演会の協力などであり、他の委員会活動に比べるとやや楽をさせていただいていた。
 
◇新潟中越地震におけるRC造建築物の被害―耐震補強の効果について―/加藤大介(新潟大学 工学部)(5ページ)
 筆者は建築防災「新潟県中越地震速報」特集(2005年3月)1)において鉄筋コンクリート造建物の被害の報告をしており、以下のようにまとめている。(1)震度7地域ではRC造建物の被害は兵庫県南部地震と比べ少ないが、RC造建物は比較的新しいものが多いことや地震動の卓越周期が短周期側であったこと、などが推測される。(2)地盤変状による基礎構造の被害が多かった。(3)耐震補強されていた学校もあり、それらは概して被害が少なかった。
 
◇新潟県中越地震による木造住宅の被害-被害建物の復旧の現状-/五十田 博(信州大学工学部)(4ページ)
 
 平成16年10月23日に発生した「新潟県中越地震」から3年が過ぎようとしている。この地震による木造住宅の特徴的な被害を簡単に述べれば、①地盤の変状に起因する被害が多く見られた、②振動によって大きな被害を受けた建物は、明らかに耐震性が不足している住宅が多く、現行の建築基準法を遵守している住宅では倒壊に至るような被害を受けていない、であった。完全復旧まで10年と当初発表されたように、建物の復旧も現段階では復旧途上である。ここでは復旧の現状を、地盤変状の被害を受けた住宅と学校建築との復旧例を中心に紹介し、今後の被災後復旧の基礎資料に資することにしたい。
 
◇平成16年新潟県中越地震による被災建築物の応急危険度判定結果の分析・検証/槌本敬大(国土交通省国土技術政策総合研究所)(8ページ)
 新潟県中越地震では、新潟県中越地方を中心に約15万棟の建築物に被害(一部損壊以上)が生じた。構造種別等の分野別の被害状況については後編で詳述されるが、総体的な被害状況を把握するため、地震直後に市町村が実施した被災建築物応急危険度判定の結果を用いて被害マクロ分析を行うこととした。とくに位置情報を加味することにより、建築物の被害と震源位置、震度、地形等の地理的条件との関係などの分析・検討も可能になると考えられため、地理情報システムを用いた分析を行うこととした。
 
◇新潟県中越地震による地盤の被害と復旧/田村昌仁((独)建築研究所 上席研究員、工学博士)、大塚 悟(長岡技術科学大学 教授、 工学博士)、松下克也(㈱ミサワホーム総合研究所 構造・振動研究室)(8ページ)
 新潟県中越地震では、基礎・地盤に起因する住宅被害が数多く発生した。地盤による被害は新しい住宅にも生じており、多大な修復費を要した例もある。本稿では、中越地震における基礎・地盤の被害と復旧を紹介するとともに、今後の地震被害を軽減・防止するためのポイントを述べる1)、2)。
 
◇福井県での応急危険度判定訓練活動について/竹澤健児(福井県土木部建築住宅課)(3ページ)
 福井県では、平成11年10月に県と市町村が連携・協力して応急危険度判定の実施体制を整備することなどを目的に、福井県被災建築物応急危険度判定協議会を設立した。その協議会の主要な活動として、平成12年度から解体予定の公営住宅(木造平屋)を被災モデルに見立て、判定士および判定コーディネーターを対象とした模擬訓練を行ってきた。適当な被災モデルがなかった平成16年度を除き、昨年度までに6回開催し、いずれも100名前後の方の参加を得てきた。ここでは、昨年の9月に福井県鯖江市で行われた模擬訓練の概要を述べていく。
 
◇被災建築物応急危険度判定模擬訓練の記録(埼玉県)/楢原 徹(埼玉県都市整備部建築指導課 主査)(3ページ)
 埼玉県では、被災建築物応急危険度判定士を対象とした被災建築物応急危険度判定模擬訓練を毎年度実施している。
 今年度は、狭山市において解体予定の市営住宅を供試体として使用し、平成19年6月4日(月)に実施した。供試体は重機にて傾斜させ、要所を部分的に取り壊し、被災建築物に見立てた。
 訓練には、民間、行政合わせて116名の応急危険度判定士の参加があり、被災地での応急危険度判定作業さながらの訓練を行った。本稿では、この模擬訓練の実施状況を報告する。
 
 
 

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