特集「構造計算書偽装問題における対応と課題」

月刊「建築防災」
No.353 2007/6月号
特集「構造計算書偽装問題における対応と課題」
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識84」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇性能的火災安全設計の腕比べ/濱田信義(濱田防災計画研究室)(1ページ)

 
◆特集「構造計算書偽装問題における対応と課題」
◇まえがき/岡田恒男((財)日本建築防災協会 理事長)(1ページ)

 一昨年、11月17日に構造計算書偽装事件が国土交通省より発表された。直接の責任は計算書を偽装した当人に帰するにしても、遠因も含めてその原因はどこにあったのか、再発防止にはどの様な手立てが必要なのか、失われた信頼をどの様に回復すればよいのか、などに関して建築界あげて取り組んだ一年半であった。
 
◇構造計算書偽装問題に対応した建築基準法等の一部改正について/松野秀生(国土交通省住宅局建築指導課課長補佐)(6ページ)
 構造計算書偽装問題の再発を防止し、法令遵守を徹底することにより、建築物の安全性に対する国民の信頼を回復するため、早急に講ずべき施策として、昨年の通常国会において「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案」が可決・成立し、本年6月20日から施行されることとなった。本稿では、構造計算書偽装問題の概要、政府・国土交通省の対応、今回の法改正の概要等について紹介することとしたい。
 
◇耐震改修支援センターの支援業務/村上雅也((財)日本建築防災協会 耐震改修支援センター長)(4ページ)
 (財)日本建築防災協会は平成18年1月26日に施行された「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づき、国土交通大臣から平成18年3月9日付けで建築物の耐震診断及び耐震改修の実施を支援する耐震改修支援センターに指定された。
 同日付で国土交通大臣から下記の指示を受け、耐震改修支援センターは違反是正計画支援委員会、構造計算調査支援委員会及び耐震性サンプル調査委員会を設置して構造計算書偽装問題についても携わることになった。
 
◇(社)日本建築構造技術者協会の取り組み/木原碩美((社)日本建築構造技術者協会副会長)(4ページ)
 本報告は、2005年11月の報道発表から、2007年3月までの約16ケ月間、この問題に対応してきた協会活動の概要を示したものである。
 
◇構造計算書偽装問題に対する建築士会連合会の対応と課題/鎌田宜夫((社)日本建築士会連合会専務理事)(5ページ)
 建築士会・建築士会連合会における建築士法改正の要望運動には長い歴史がある。本稿では偽装問題発覚以前から問題意識をもって研究・討議し、その実現のために運動するとともに独自に制度化してきた歴史の概観を紹介するとともに、この度の問題に対して47建築士会と建築士会連合会が一致団結して対応してきた経緯を整理する。また、平成20年末に予定されている改正建築士法施行に向けての課題について紹介する。
 
◇(社)日本建築士事務所協会連合会の取り組み/髙津充良((社)日本建築士事務所協会連合会専務理事)(4ページ)
 建築士は、建築士事務所の登録をしてはじめて業として設計、工事監理その他の業務を行うことができる。また、建築士でなくとも誰でも建築士を雇って建築士事務所登録を行えば、業としてこれらの業務を行うことができる。建築士資格が資格者でないと開業できない弁護士や税理士等の他の資格と大きく異なる点である。建築士の業務については(建築士としての責任はあるものの)基本的には事務所としての業務であり、その責任は開設者にある。このような法体系の中で、当連合会(以下、日事連という)は、建築士事務所を構成員とする都道府県の建築士事務所協会を会員とする唯一の全国組織として、昭和50年に社団法人として設立許可され、現在は建築士法に基づく「建築士事務所の業務の適正な運営及び設計等を委託する建築主の利益の保護を図ることを目的とする団体」として大臣から指定され活動を行っている。このような立場にある日事連は、今回の問題にどのような対応をとってきたか、以下にその概要を紹介する。
 
◇耐震偽装事件と日本建築学会/村上周三((社)日本建築学会前会長(慶應義塾大学教授))(2ページ)
 日本建築学会(以下、本会)は学術団体であり、職能団体でもないし、行政機関でもない。本会の耐震偽装事件に対する対応に際しては、この立場を踏まえることが関係者の間でたびたび確認された。
 本会の特徴は会員の職種や背景が多様なことであり、それを反映して会員の意見分布も多様なことである。多様な意見を纏めるためには、その運営において中立、公平、自律等のキーワードで代表される姿勢を維持することが必須である。本会は日頃から頑固なまでに中立性の確保を標榜しており、今回の事件の対応についても、この姿勢は貫かれていると考える。
 
◇(社)建築業協会の取り組み/西向公康((社)建築業協会 事業部 参事)(4ページ)
 社団法人建築業協会(Building Contractors Society:BCS)は、耐震偽装問題への対応として2006年4月20日付で「工事着手前図面検討ガイドライン」をまとめ、公表しました。
 従来から、施工サイドでは「構造設計の不備や異常、ましてや不正」をチェックする体制を採っていませんし、また、そのような権限も責任も無いとの認識です。この考えは基本的には現在でも変わっていませんが、社会の信頼に応えるにはもう少し踏み込んだ対応が必要であるとの考えの下に、BCS施工部会ではワーキンググループを設置し、「構造計算書偽造問題に対する施工者としての対応」についての提案書をまとめBCS会員各社で実施することにしました。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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