(特集「E-ディフェンスRC・基礎地盤」)

月刊「建築防災」
No.347 2006/12月号
特集「E-ディフェンスRC・基礎地盤」
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識78」
 
※執筆者名の後の ( ) 内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇ハチの巣/齋藤 秀人(清水建設(株)技術研究所)(1ページ)

 
◆特集「地震防災に関する海外活動」
◇地震防災の海外活動動向/岡崎 健二(政策研究大学院大学教授)(5ページ)

 近年、大規模な地震災害が毎年のように世界各地で発生し、多くの命が奪われている。国際社会は、自然災害による被害の軽減が持続的な発展を実現するために重要であるとして、国連の定めた「国際防災10年(IDNDR, International Decade for Natural Disaster Reduction)」(1990-99年)を契機に、自然災害の被害の軽減に取り組んできた。多くの自然災害が発生するわが国は、世界でもトップレベルの防災関連の知識や技術を有しており(特に地震防災関連)、この分野での国際協力を積極的に進めている。
 
◇JICAの地震防災関連国際協力について/岡崎 敦夫(国土交通省住宅局建築指導課 国際基準調査官)(3ページ)
 我が国は、環太平洋地震帯に属し、また、もともと国土が狭い上、限られた地域に人口が集中し、高密な市街地が形成される国土構造となっていることから、古くから地震の被害を多く受けてきた。このため、建築物の耐震化や密集市街地における耐火建築の普及をはじめとする様々な対策を長年にわたり講じており、これら社会状況に応じた各種対策の実施により、未だ地震被害の根絶には至らないものの地震被害の軽減に一定の成果をあげている。
 一方、近年世界各地で、津波によりインド洋沿岸諸国に未曾有の死者が発生したスマトラ沖地震(2004年)に代表される、広域にわたり大きな被害を生じさせる大規模な地震や、レンガを多用した住宅の倒壊により局部的に多くの死者を生じさせたジャワ島中部地震(2006年)など特定の地域に甚大な被害を与える直下型地震の発生が相次いでいる。これら地震の被害は、先進国においてもなお深刻であるが、地震災害に対する対策が遅れている発展途上国においては一層大きな問題となっている。特に、災害は社会的弱者により大きな打撃を与え、貧困層の僅かな蓄えを奪い去ることから、貧困層に属する人々の社会的地位の向上に決定的な障害となり、貧困の固定・再生産を引き起こしている。
 
◇ルーマニア地震災害軽減計画プロジェクトの全体概要/岡田 恒((財)日本住宅・木材技術センター 試験研究所所長、元(独)建築研究所 構造研究グループ長(4ページ)
 
 ルーマニア地震災害軽減計画プロジェクトは、ルーマニアの地震災害軽減の取組みを支援することを目的に、5ヵ年のJICAプロジェクトとして、2002年10月から開始された。(独)建築研究所は日本側のカウンターパートとして、国土技術政策総合研究所等の協力を得ながら、これまでのメキシコやトルコなどの技術協力の経験を生かしながら、このプロジェクトに取り組んでいるところである。ここでは、実施に至った背景、プロジェクトの目的と具体的な実施内容、プロジェクトの実施体制などを紹介する。
 
 
◇技術専門部会(構造WG・入力地震動WG)支援概要/西山 功(国土交通省国土技術政策総合研究所住宅研究部長)(5ページ)
 ルーマニア地震災害軽減計画プロジェクトは平成14年秋に開始され、現在、プロジェクト終了まで約1年という段階である。 本プロジェクトでは、プロジェクト・デザイン・マトリクスにより、ルーマニアにおける地震対策を強化するという上位目標を掲げ、甚大な地震発生時の建築物崩壊被害を軽減するための技術を改善し、普及することをプロジェクト目標としている。このために、ルーマニア・ブカレスト市にある国立建築研究所(INCERC)とブカレスト工科大学(UTCB)の協力を得て、運輸建設観光省(MTCT)に新たに地震災害軽減センター(NCSRR)を設置しプロジェクトを進めている。NCSRRには、日本側から長期専門家3名(含、調整員1名)が派遣されている。
 プロジェクト目標を達成するため必要不可欠な施設など(構造実験施設や室内土質試験、地震観測装置など)の基本計画は、プロジェクトの開始に先だち独立行政法人建築研究所が中心で検討してきたが、実際のプロジェクト開始に及んで長期専門家チームを支援するためルーマニア地震災害軽減計画プロジェクト国内委員会及び技術専門部会が設置された。
 
◇ルーマニアにおける長期専門家活動の概要/上之薗 隆志((独)建築研究所構造研究グループ長(前長期専門家)、関 松太郎、宮良 光一郎(在ルーマニア長期専門家)(4ページ)
 独立行政法人国際協力機構(以下、JICAとする)による技術協力プロジェクト「ルーマニア地震災害軽減計画」(以下、プロジェクトとする)が2002年10月から来年2007年9月までの5ヵ年計画で実施されている。本プロジェクトの準備段階も含め、以下8名の長期専門家がルーマニアで活動してきている。プロジェクト期間中は常時3名の長期専門家がルーマニアに滞在し、活動している。現在は6)~7)の長期専門家がプロジェクトの最後の1年で仕上げの活動をしている。
 
◇トルコ国の防災に対する日本の国際協力/阪本 真由美(京都大学大学院情報学研究社会情報学専攻 (前(独)国際協力機構トルコ事務所)(6ページ)
 トルコは、アジア・ヨーロッパ・ロシアに挟まれたアナトリア半島に位置する、アジア的な要素とヨーロッパ的な要素を併せ持つ国である。国民の大半はイスラム教でありながら、街を歩く人々のスタイルは欧米諸国と変わらない。
 トルコは地震国である。筆者は、2004年から2006年にかけて独立行政法人国際協力機構(JICA)トルコ事務所にて勤務した。トルコ滞在中にも何度か地震を体験した。また、休日に遺跡を訪れると驚くことに実に多くの遺跡が地震により倒壊していることに気がつく。現在でも地震が起こると家屋等の倒壊により多くの被害がもたらされる。
 
◇開発途上国の住宅耐震化のための新たな取り組み/楢府 龍雄((独)建築研究所 国際協力審議役)(4ページ)
 建築研究所では、開発途上国の地震防災対策の推進に資するため長年にわたり人材育成のための研修の実施、開発途上国の地震防災のための研究センターの設立の支援などに取り組んできている。これらの蓄積を踏まえて、大規模地震の度に甚大な人的被害を生じせしめている主要な原因である一般庶民住宅についてその耐震性の向上に資するべく、新たな取り組みをはじめたことから、今回その概要を紹介させていただくものである。
 
◇国際地震工学研修の概要/古川 信雄((独)建築研究所国際地震工学センター(3ページ)
 独立行政法人建築研究所国際地震工学センターは、国際協力機構と協力して、地震災害軽減のために開発途上国の研究者・技術者に対して地震学及び地震工学に関する研修(国際地震工学研修)を実施している。創設以来継続している地震学コースと地震工学コースに加えて、今年から津波防災コースを開始した。また、政策研究大学院大学との協力により、今年修了した研修生から修士号(防災政策)授与が可能になった。
 
◇国連地域開発センターとコミュニティ防災の推進/安藤 尚一(国連地域開発センター(UNCRD)防災計画兵庫事務所長)(4ページ)
 国連地域開発センター(UNCRD)は1971年に設立され、2006年の今年で35周年を迎える国連機関である。国連機関には、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)、世界保健機関(WHO)や国連大学(UNU)などの独立した機能を持った専門機関が数多くあるが、UNCRDは国連本部の経済社会局(UN DESA)に直属する国連機関である。なお、日本に本部がある国連機関は、UNCRD(名古屋)のほかにUNU(東京、1975年)と国際熱帯木材機関(ITTO:横浜、1986年)がある。UNCRDは、開発途上国の地域開発を、国連の立場で支援する役割を担っている。
 
◇紛争地、被災地における建築分野のNGO活動/今井 弘((独)国際協力機構)(3ページ)
 これまでNGOのスタッフとして活動してきた6年間は、日本のNGOにとっても大きな変動期にあたる。21世紀に入り世界各国では民族紛争が多発し、国際社会の一員として日本のNGOは各地での支援活動の規模を拡大してきた。2000年にジャパンプラットフォーム(以下、JPF)が設立された。(JPFはNGO、経済界、政府が三位一体となり国際緊急支援を迅速かつ効率的におこなうシステムである。)2001年のインド西部地震では、JPFを軸として日本のNGOが海外の自然災害に対しても緊急支援を展開するようになってきた。またNPO法人化により社会的にも認識されてきたNGOの変化を、私が携わってきた建築分野を通してのNGOでの6年間の活動を紹介する。
 
◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識78」
◇マンションの長期修繕計画作成について(概要・建築編)/中野谷 昌司((社)高層住宅管理業協会マンション保全センター)(7ページ)

 前号では、マンションの長期修繕計画作成についての位置付けや、作成する際の基本的な考え方について解説した。今回は、具体的な作成事例をもとに、作成手法の解説をする。
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

——————————————————————————————————————-

その他詳細につきましては、下記事務局までお問い合わせ下さい。
一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係
東京都港区虎ノ門2-3-20 虎ノ門YHKビル
電話:03-5512-6453 FAX:03-5512-6455
mail:kenbokyo@kenchiku-bosai.or.jp

バックナンバー