(特集「浸水対策」)

月刊「建築防災」
No.334 2005/11月号
特集「浸水対策」 
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識65」
 
※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇建物所有者と建物の維持保全/神谷 敏之((株)山下設計)(1ページ)

 
◆特集「浸水対策」
◇「浸水対策特集」はじめに/(財)日本建築防災協会事務局(3ページ)

 近年、都市で発生している水害では、河川や下水道から溢れた流水が都市の低地部に集まり、そこにある地下室や地下街が浸水することにより重大な災害が発生している。一方、都市部においては地下空間の利用がますます進み、地下室や地下街等での浸水危険性は今後さらに高まるおそれがある。
 
◇水防法改正に伴う浸水対策の概要/藤山 究(国土交通省河川局防災課 課長補佐)(3ページ)
 昨年は梅雨末期の集中豪雨や度重なる台風の上陸により、全国各地で甚大な水害が発生した。これらの一連の災害の特徴として、局地的な集中豪雨の影響を受けやすい中小河川の破堤氾濫等により激甚な被害が頻発したこと、高齢者などの災害時要援護者の被災が目立ったこと、地下空間の浸水被害が頻発していることなどが挙げられる。
 
◇八重洲地下街の浸水対策について/平柳 盛行(八重洲地下街(株)保安部長)(3ページ)
 東京駅八重洲口の正面から地下に展開する八重洲地下街は、東海道線、中央本線、新幹線など主要路線の基点であり、まさに日本を代表する巨大ターミナルとしての東京駅に接続している。そのため地下街の利用者も多様である。南方・北方からの旅行者やビジネスでの出張者、日本橋、京橋界隈に勤務するサラリーマン、また休日は近郊の親子連れ等でにぎわっている。
 
◇大阪駅前ダイヤモンド地下街における浸水対策/河向 七朗(大阪市街地開発(株))(3ページ)
 JR大阪駅前梅田地区は、大阪市内における最大のターミナルで、JR大阪駅を中心とした交通機関乗降客数が1日250万人と大阪市の人口に匹敵するほどである。こうした中でダイヤモンド地下街は、都市機能の中心を担う地域として、人、車のネットワーク網を整備し、通行の円滑化、特に来訪者の利便と安全確保を目的に建設されたものである。
 
◇博多駅地下街における浸水対策/鶴丸 弘((株)博多ステーションビル)(4ページ)
 福岡市は、九州の北部に位置し、アジア大陸に近いことから、古くから中国、韓国など大陸文化の交流地点として栄えてきた。更に近年「アジアの交流拠点都市」を目指し九州・山口1,500万人の中心都市として都市機能を高めてきている。空の玄関口として都心近くに福岡国際空港を有し、陸の玄関口としてJR九州博多駅が あり、一日の乗降客約34万人を有している。
 
◇ホテルクリオコート博多における浸水対策/弘永 正樹((株)クリオ ホテルクリオコート博多管理部(3ページ)
 ホテルクリオコート博多は福岡市博多区博多駅中央街にあり、JR博多駅の筑紫口からすぐという恵まれた場所にある。同時にホテルには地下鉄入り口が併設され、アクセスには非常に便利であるが浸水の被害も受けやすい事がウイークポイントとして挙げられる。このホテルもこの6年間で、2度も洪水による浸水の被害を受けた。3度目を守るために「ホテルクリオコート博多」では自衛消防隊を結成し、積極的に防災対策に取り組んでいる。
 
◇汐留メディアタワーにおける浸水対策/八木 佳(鹿島建設(株)建築設計本部建築設計統括グループ マネージャー(4ページ)
 (社)共同通信社の本社ビルである汐留メディアタワーは、「簡素・堅牢・機能的」を基本コンセプトに「21世紀の情報発信基地」として、情報技術革命に対応する高度な安全性・信頼性の実現をめざし建設された。
 
◇浸水防止に関する様々な機器・工法等
・防水板・防水扉/府野 功((株)岡村製作所セキュリティ製品部)(1ページ)

 近年大都市では集中豪雨による都市型水害が増大しています。
 
・防水板は皆様の財産を守ります-防水板-/大江 洋造((株)イトーキ)(1ページ)
 本年9月上旬に九州を襲った台風14号など、今年も残念ながら水の被害が続いています。高度成長の中で急速に進んだ都市化でアスファルト面積が拡大し、雨水の処理を地下の貯水池や近くの河川に頼らざるを得ない状況です。また地下街が縦横に発達、地下駐車場が増加、受電室の地下化等、かけがえの無い資産が地下に在る場合が多くなり、まさに止水対策が必要になってきております。そして地球温暖化が原因とも考えられる異常気象により、局地的な豪雨が以前にも増して頻発しており、防水板の役割が更に重要となってきました。
 
・W.P.P.ウォータープロテクトパネル-止水板-/石橋 晋平(グローバルアーク(株))(1ページ)
 ステンレス支柱とアルミパネルの組合せにより、迅速・確実な止水を実現します。脱着式・スライド式・スイング式等、取付場所に合わせた施工をお選びいただけます。
 
・スプリング起倒式手動防水扉-防水板-/山本 敬二(丸島産業(株))(1ページ)
 
 高剛性、軽操作力、閉鎖時間短縮、高止水、迅速復帰、省据付スペース、メンテナンスフリーの防水扉です。
 
・ゴム袋体式(床下収納型)-防水板-/河吉 利幸(豊国工業(株)技術部防災プロジェクト)(1ページ)
 本製品は、防水板、ゴム袋体、収納ピットおよびコンプレッサ等の起伏装置から構成されています。
 
・みずとめ堤-水防用器具-/益田 浩造(エン・テク(株)開発部)(1ページ)
 直径25cmで長さ3m~6mの「膨張ホース(円柱型塩化ビニル製ホース)」を「F.Dストッパー(固定器具)」で固定した後、水道栓または消火栓から水を注入して地下施設等の出入口に設置し、地下空間への浸水を阻止することができます。その他に、都市部0m地帯等低地にある居住施設及び商工業施設への浸水防止に役立ちます。
 
・SEB(セーフティエコバッグ)-土嚢-/山内 洋助((有)エフエフシー)(1ページ)
 0.72kgのシートが水分を含ませるだけで30kgのウォーター“土嚢”になります。作業は簡単、スピーディー、環境にも無害で焼却も出来ます。
 
・各種の計測器を応用したコンパクトな制御システム/蓬田 久俊((有)クリマテック)(1ページ)
 今日の建築物では、計装システムの発達によりさまざまな自動計測・制御が行われている。とは言え、当社で行っているような各種気象条件を元にした、下記にあげるような計測・制御は、比較的目新しい分野の制御と言えるのではないだろうか。
 
・洪水ハザードマップ作成支援システム―航空写真による浸水想定―/小川紀一朗、中谷 剛(アジア航測(株))(3ページ)
 2005年までに世界の洪水被災者は20億人へ急増する、と国連大学(UNU)は各国政府に警鐘を鳴らした1)。洪水被害は80年代後半から急増し、特にアジアでの増加が激しいが、アメリカの大型ハリケーン襲来等のように、世界的規模になってきている。
 
◆災害報告
◇8.16宮城県沖を震源とする地震被害の概要/伏見 義則(仙台市都市整備局建築指導課長)(2ページ)

 東北地方は、比較的大きな地震発生頻度の高い地方であり、特に宮城県沖を震源とする地震の発生確率は30年以内99パーセントと極めて高い確率で起こると政府の地震調査研究推進本部から評価結果が報告されている。この中平成17年8月16日午前11時46分ころ宮城県沖を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生した。この地震は、地震調査研究推進本部から報告されている地震とは異なるものの宮城県川崎町で震度6弱、仙台市宮城野区、泉区や石巻市において震度5強、仙台市若林区、塩釜市などにおいて震度5弱を観測した。この地震において建築物やライフライン等の被害はきわめて少なかったものの、平成17年7月1日にオープンしたスポーツ施設の温水プールの天井が崩落した。
 
◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識65」
◇建築物の劣化現象と調査機器(その7)/佐藤 紀男(佐藤建築事務所)、作中 隆之((株)ジャスト)(4ページ)

 前回まで、建築物の劣化診断に用いられている調査機器として、コンクリート、屋上・屋根における防水、外壁仕上げ材および塗装などについて紹介させて頂いた。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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