特集「構造材料の耐火性の最新動向」

月刊「建築防災」
No.327 2005/4月号
特集「構造材料の耐火性の最新動向」 
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識58」
 
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◆防災随想 
◇耐火構造と耐火建築物/齋藤秀人(清水建設技術研究所主任研究員)(1ページ)

 
◆特集「構造材料の耐火性の最新動向」
◇総論/岡村義徳(日本建築総合試験所 耐火防火試験室)(2ページ)

 日本建築学会、防火委員会、材料・構造耐火性小委員会(主査:長尾覚博氏、元大林組 技術研究所)では、各種構造材料の火災時を想定した高温性状について体系的に取りまとめる活動を数年間に亘り続けてきた。その調査・研究の成果として、昨年末に『構造材料の耐火性ガイドブック』(本体価格3,500円)として刊行したので、ここにご紹介致します。 
 
◇木質系材料/大内富夫( 鹿島建設技術研究所上席研究員)(4ページ)
 木材は構造材料の中で、火災時において自ら燃焼するという弱点を有するが、ある程度、断面が大きければ燃え進む速度(炭化速度)が決定でき、残された断面で耐力を保持できるかどうかを評価することができる。即ち、木質系構造の耐火設計は、火災時に炭化する部分を除いた残存断面で評価する、いわゆる燃えしろ設計が従来からの考え方であり、わが国では準耐火建築物に対して、この設計法が許容されている。一方、耐火建築物に対しては、着火しないあるいは燃え止まるという性能が要求されるが、ツーバイフォー工法をはじめ、耐火構造の認定取得の動きも活発化している。
 
◇アルミニウム材料・金属材料/染谷朝幸(日建設計 構造設計室)(5ページ)
 建築構造としては新しい材料であっても、建築基準法性能規定化による耐火性能評価の明確化により、耐火建築物に使用できる可能性は高くなってきている。アルミニウム合金も建築構造材料としては新しい材料であるが、建築以外での使用量が多いため耐火性のデータもあり、耐火性能評価を行うことは十分可能である。 
 
◇新材料/道越真太郎(大成建設技術センター)(5ページ)
 先般の建築基準法の性能規定化によって耐火建築物の性能規準が明確になり、木造であっても火災性状予測の結果、火災温度が木材の着火温度を下回れば木造の耐火建築物が可能となった。同様にプラスチック系材料等の可燃性材料であっても、火災時にその材料にとって支障の無い温度であれば、耐火建築物の主要構造部に用いることができる。
 ここでは建築技術者に比較的なじみの薄い材料であるFRP、ガラス、膜材料、免震装置、ポリカーボネイトの高温時の物性値を、日本建築学会発行の「構造材料の耐火性ガイドブック」から抜粋して、紹介する。 
 
◇耐火被覆/岡義則(化工機商事)(5ページ)
 2000年の建築基準法改正により、耐火被覆を施工した構造部材の耐火性能評価には従来からの加熱試験法に加え、新たにISO834に基づく載荷加熱試験法が採り入れられ、これが標準となった。
 また、従来、準不燃材料以上という材料制限があり、耐火被覆は無機系のものとされていたが、これも材料制限が撤廃され、有機系の材料である耐火塗装などが新たに使用されるようになった。本稿では「構造材料の耐火性ガイドブック」1)を基に柱・梁を耐火構造とするために施す耐火被覆について、無機質系材料と有機質系材料に分けそれぞれの種類・特長について紹介する。 
 
◇マドリッドWINDSORビル火災現地視察報告/岡本達雄、久保田稔、岡本達雄、久保田稔 (5ページ)
 2005年2月12日の土曜日の深夜、スペインの首都マドリッドの超高層ビル(WINDSORビル)で火災が発生した。
 ビルはかろうじて倒壊は免れたものの、上部はかなりの部分が崩落するという事態に至った。火災が沈下した後の2月24日に現地を訪れ火災現場を視察するとともにその時点において現地で集められる情報を収集した。火災が何故おこったのかは現在調査中であり、その詳細は今後の調査結果を待つことになるが、2005.2.24時点での現地の状況および現在までに収集された情報をここでは紹介してみたい。
 
◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識58」
◇建築物の劣化現象と調査機器(その2)/佐藤紀男(佐藤建築事務所)(4ページ)

 漏水は、居住性を害し、建物の耐久性の上からも好ましくない。
 漏水個所は、建物全体から見てそう多くないので、漏水あるいは漏水の痕跡が認められた全てを調査するのが望ましい。
 水源箇所としては、外壁・屋根スラブ、屋上クーリングタワー、雨水管系統、暖冷房パイプ、水道管などがある。
 
◆定期調査報告関係地域法人紹介コーナー
◇大阪府内の定期調査報告書(建築物)様式改訂について/岡部光男(大阪建築防災センター事務局次長)(3ページ)

当防災センターは大阪府内全18特定行政庁及び指定確認検査機関で構成する大阪府内建築行政連絡協議会の防災部会の一員として定期報告様式改訂等作業のため立ち上げたワーキンググループに参画連携し、先の建築基準法施行規則第5条等の施行改正に伴い、同条36号の2様式の調査結果に求められている「法不適合の指摘あり」「要注意の指摘あり」「既存不適格」「指摘なし」の判定結果に集約して記入出来るよう調査項目を再検討し、その調査細目毎に建築基準法上の根拠条項を搭載した新しいスタイルの報告書様式に改訂した。また新様式の円滑な推進をはかるため、各特定行政庁担当者の協力のもと必携テキストを編纂しいずれも新年度早々完成に漕ぎ着くことが出来た。調査項目書様式改訂にあたっては、各特定行政庁の推奨様式に位置づけ、記入に際して出来るだけ混乱を来さないよう配慮するため従来の様式の調査項目・細目を踏襲し、不足部分は新たに細目を加える等の改訂を行った。 
 
◇東京都耐震フォーラムの開催について/松本修一 (東京都都市整備局市街地建築部建築企画課建築防災係)(3ページ)
 
◇住宅防火対策の推進について/木原正則総務省消防庁防火安全室長(5ページ)
 平成16年6月に消防法が改正され、住宅に住宅用火災警報器(法令用語は住宅用防災警報器)又は住宅用自動火災報知設備(法令用語は住宅用防災報知設備)を設置することが義務づけられた。これまで、消防法における消防用設備等の義務づけは、戸建て住宅には及んでいなかったが、最近の住宅火災による死者の状況がこのまま放置できない状況となってきたため行われた法改正である。本稿では、建築防災の関係者を対象として法改正に至った経緯や政省令によるの技術上の基準の概要等について説明することとする。 
 
◆静岡県が所有する公共建築物の耐震性能の公表及び耐震化計画の策定/柳 敏幸(静岡県都市住宅部建築安全推進室主幹)、大石武司(静岡県総務部防災局防災情報室主幹)(3ページ)
 静岡県では、昭和54年の大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域に指定されて以来、東海地震に対する建築物の安全性の確保に努めてきている。
 平成15年5月29日の中央防災会議で東海地震対策大綱が策定され、同年7月29日に東海地震緊急対策方針が閣議決定された。その中で、東海地震発生時の住民の的確な対応を確保するためには、自宅だけでなく公共建築物の耐震性の把握が不可欠であることから、災害時の拠点となる学校、病院、庁舎等の公共建築物について、耐震診断実施状況や実施結果をもとにした耐震性に係るリストを作成し、住民に周知するよう示された。 
 
◆タイ王国津波被害 国際緊急援助隊(JDR) 救助チームの活動 /長尾一郎 (総務省消防庁救急救助課理事官)(4ページ)
 2004(平成16)年12月26日(現地時間07:58、日本時間09:58)に発生したスマトラ沖地震による津波では、震源地に近いインドネシアをはじめ、インド洋の沿岸諸国において二十数万人の死者・行方不明となる多大なる被害をもたらしました。
 日本政府はタイ王国からの要請を受け、外務省、警察庁、海上保安庁、国際協力機構(JICA)をはじめ、国内の消防機関からなる総勢49名の国際緊急援助隊救助チームを現地に派遣したところです。
 今般、国際緊急援助隊救助チームに参加し、被災地において救助活動を行って参りましたので、その活動概要をご紹介します。 
 
◆特殊建築物等調査資格者と専攻建築士制度における「診断・改修」を相互承認
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

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一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係
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