(特集「地震・防災対策 l1」)

当協会の機関誌「建築防災」(月刊)の紹介
No.308 2003/9月号
特集「地震・防災対策Ⅰ」 
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識39」

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◆防災随想 
◇阪神・淡路大震災を振り返って/小谷重男(都市基盤整備公団管理業務部住宅保全課)(1ページ)

◆特集「地震・防災対策Ⅰ」
◇市民の意識を高める住安全・防災教育/石川孝重(日本女子大学住居学科教授・生涯学習総合センター所長)(6ページ)
 建物の耐震化など、市民の防災意識を普段から高め防災行動に結びつけるには、防災に対する市民の「動機付け」を目的とした啓発教育が必要である。動機付け教育の効果を高めるには何らかの「しかけ」が重要な要素になる。われわれは、早期学校教育と社会教育プログラムに注目して、防災に関する意思決定プロセスの解明を踏まえた、身近な学習ツールの開発を手がけている。学校教育や社会教育の実情調査や、作成したマルチメディア作品の一部をご紹介する。これらのうちの幾つかはすでに社会に発信している。是非、実物をご覧いただきたい。

◇地震に強い住まい・まちづくりの推進/今井宏昭(愛知県建設部建築指導課課長)(4ページ)
 住まいは生活の基本であり、住宅の安全を確保することは、県民が安心して暮らすための、大切な要素です。この住宅の安全の確保について、愛知県では地震防災対策が重要課題になっています。
平成14年4月に、まず、東海地震について、「大規模地震対策特別措置法」に基づく地震防災対策強化地域が見直しされ、本県においては、政令指定市である名古屋市を含め、合計58市町村が指定されました。
また、「東南海・南海地震にかかる地震防災対策の推進に関する特別措置法」も平成15年7月25日に施行されたところです。

◇静岡県の防災教育/勝又津久志(静岡県教育委員会教育総務課主幹)(8ページ)
 静岡県では、予想される東海地震などの大規模地震に備え、県民が安心して暮らせる社会構築に向け、防災対策の推進を最重要課題のひとつに掲げている。
特に、災害による被害を軽減するためには災害予防対策が重要であることを踏まえ、静岡県教育委員会では、生涯学習の視点に立って防災教育の充実を図り、県民の防災対応能力の向上に資するため、2002年2月に「静岡県防災教育基本方針」を策定した。
内容は、児童生徒等の発達段階に応じ、家庭や地域社会との連携を図りながら、総合的かつ体系的に防災教育を推進しようとするもので、現在、この方針に基づき、防災教育の充実や防災体制の整備に取り組んでいる。
ここでは、基本方針策定までの経緯を振り返るとともに、基本方針に盛り込まれた防災教育基本構想や具体的な防災教育の取組状況などについて、概要を報告する。

◇仙台市における建築物等の地震対策-市有建築物の耐震診断結果とその対策、戸建木造耐震診断の結果の現状-/伏見義則(仙台市都市整備局住宅宅地部建築指導課長)(6ページ)

平成15年5月26日夕方、東北地方は三陸沖を震源とする強い地震があり仙台市は震度4(一部5弱)を記録した。幸いにして大きな被害はなかったものの宮城県沖地震の再来かと市民に大きな不安を与えた。また、6月12日政府の地震調査委員会は宮城県沖地震の発生確率について「二十年以内88%」「三十年以内99%」と見直しを行い発表した。このような状況の中、仙台市の建築物等地震防災に係る現状について述べるものである。

◇阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター-全ては未来のために-/(財)阪神・淡路大震災記念協会普及事業部普及協力課(6ページ)
 人と防災未来センターは、阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に継承し、国内外の災害による被害の軽減に貢献するとともに、いのちの尊さや共生の大切さなどを世界に発信していくことを設置目的としている。平成14年4月に開館した「防災未来館」に引き続き、本年4月26日には「ひと未来館」が開館し、グランドオープンした。
センターは、①阪神・淡路大震災に関する資料の収集・保存・展示、②実戦的な防災の専門家としての研究員の育成や災害対策特別研修、③災害発生時の初動対応・復旧・復興に活かせる実戦的な対策やシステムの調査研究、④災害発生時の専門家の派遣や国内外の防災関係機関との交流・ネットワークづくりをその機能としている。
特に阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に伝える(ミュージアムには、連日、修学旅行等の団体をはじめ多くの方々にご来館いただいており、平成14年度には全国から約26万人の来館者をお迎えしたが、グランドオープンした今年度は昨年同期より約2倍の入場者で賑わっている。

◇消防博物館における防火防災思想の普及啓発活動について/手塚敬一(東京消防庁消防防災資材センター)(5ページ)

 消防博物館(以下「博物館」という。)は、失われてゆく消防の遺産を保存、継承し、先人が残した火災などの災害に対する知恵や工夫を通じて「明日の消防の姿」を考え、あわせて都民の防火・防災思想の普及を図ることを目的として平成4年12月3日に開館しました。
館内には、江戸の消防に関する錦絵、瓦版、古文書、消火道具や明治時代から現在に至るまでの消防ポンプ、防火衣、消防活動機材などを中心に展示するとともに、先端技術を駆使した展示装置を備え、防火・防災の科学的知識も学べる手法を取り入れながら、都民生活の安全のための情報をさまざまな形で提供しています。

◆災害報告
◇2003年5月26日宮城県沖の地震での建築物被害調査/上之薗隆志(国土交通省国土技術政策総合研究所危機管理技術研究センター(7ページ)
 平成15年5月26日18時24分に宮城県沖を震源とする地震が発生した。この地震により岩手県沿岸南部と内陸南部及び宮城県北部で震度6弱、その周辺で震度5強が観測された。地元の行政庁等の関係機関より地震被害状況が報告されたが、その被害規模は、通常、震度6弱の震度から想定される規模に比較して小さいものであった。そこで今回の調査では建築物被害の概要把握を主目的としたが、さらに地震動と建築物の被害を関係づけるため地震動の得られている地点での被害調査も目的とした。
建築物の被害調査は国土技術政策総合研究所と建築研究所が共同で平成15年5月29日から30日に実施した。調査した地域は、岩手県の北上市、遠野市、釜石市、大船渡市、一関市、住田町及び大東町、そして宮城県気仙沼市である。調査地域を震源及び独立行政法人防災科学研究所のK-NET観測点で得られた地震動加速度とともに図に示す。

◆行政ニュース
◇定期報告制度の運用に係る留意事項について(技術的助言)(3ページ)
事務連絡
平成15年7月9日
各都道府県建築指導担当課長殿
国土交通省住宅局建築物防災対策室 課長補佐高見真二
平成13年3月10日に公布された建築基準法施行規則の一部改正により、定期報告制度に係る規定が改正されましたが、その施行に先立ち、「定期報告制度の運用に係る留意事項について(技術的助言)」(平成15年7月9日国住指第1184号)を通知いたします。
定期報告制度の運用にあたっては、同技術的助言を参考に円滑な運用がされるようお願いします。
なお、同技術的助言の記中2.(2)に示す特殊建築物等調査資格者、建築設備等検査資格者又は昇降機等検査資格者が実際に調査又は検査を行う際の調査票又は検査票の案については、定期報告に係る各指定講習機関において作成されているので、添付書類について特定行政庁で定める際の参考とされますよう申し添えます。

◆全国ネットワーク委員会ニュース
◇既存建築物耐震診断・改修等推進全国ネットワーク委員会 平成15年度第1回全体委員会開催報告/既存建築物耐震診断・改修等推進全国ネットワーク委員会事務局:(財)日本建築防災協会(文責:今泉 晋)(1ページ)

◇パネルディスカッション「戸建住宅の耐震改修促進方策」/坂本 功、岡田 恒、小澤 徹、腰原幹雄、小林基比古(12ページ)

◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識39」
◇免震建築物に関する知識と維持保全/可児長英((社)日本免震構造協会)(8ページ)
 免震建築物を適切に維持保全するために必要な免震建築物に関する基礎的な事項(歴史、推移、免震の基本、装置、設計、施工)と維持保全について今回紹介します。それらは次の事項です。なお、今回は建築設備に関する事項は記載を省略しました。
1.免震建築物の歴史と推移
2.免震構造のシステム
3.免震装置の概要
4.免震建築物の設計と施工
5.免震建築物の維持保全

◆定期報告関係地域法人紹介コーナー
◇(財)宮崎県建築住宅センター/(財)宮崎県建築住宅センター住宅企画課(4ページ)

 当センターは、県民に対する建築・住宅に関する知識の普及、及び建築に従事する技術者に対し技術情報の提供を行うとともに、公共の住宅の管理その他建築・住宅に関する業務を推進することにより、県民の福祉の向上に寄与することを目的として設立されました。
最近の建築住宅を取り巻く状況は、住宅をはじめとする建築物の安全性の確保やバリアフリー化の促進、環境問題への対策など、複雑・多様化しています。
このような中、当センターは本年30周年を迎え、これを契機になお一層、県民の安全で安心できる住まいづくりの総合的支援機関としての役割を果たしていきたいと思っています。

◆防火材料等関係団体及び材料・構造紹介コーナー
◇ALC/ALC協会(3ページ)

軽量気泡コンクリートであるALCは、わが国では40年近くの実績があり、多くの性能や機能を備えた経済性の高い耐火建材として、各種建築物の外壁、間仕切壁、屋根、床等の部位に使われてきました。今日ALCが広く使用されている理由には、その「耐火性」、「軽量性」、「断熱性」などの多くの性能や機能をバランス良く備えた建築材料であることなどが挙げられます。ALC協会では、高度化する建築材料への社会的ニーズに応えるべく、取付け構法の乾式化、リサイクルへの取り組み等を行っています。


その他詳細につきましては、下記事務局までお問い合わせ下さい。

財団法人 日本建築防災協会 機関誌係
東京都港区虎ノ門2-3-20 虎ノ門YHKビル8階
電話:03-5512-6451 FAX:03-5512-6455
mail:kenbokyo@kenchiku-bosai.or.jp

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