(特集「素材から見た非鉄金属と鉄」)

当協会の機関誌「建築防災」(月刊)の紹介
No.292 2002/5月号
特集「素材から見た非鉄金属と鉄」 
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識24」

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◆防災随想 
◇健康/戸原基行(都市基盤整備公団管理業務部保全課専門役)(1ページ)

◆特集「素材から見た非鉄金属と鉄」
◇アルミニウムと建築/小原久((社)日本アルミニウム協会)(8ページ)
 アルミニウムは、軽量で耐食性があり美観にも優れ、押出しにより多様な形状への対応が可能なことから、建築材料として広範囲の分野で使用されてきた。また、最近ではリサイクルや省エネルギーの必要性から、アルミニウムの特性を活かした用途分野での利用も期待されている。
建築分野におけるアルミニウムの利用について概略を紹介する。

◇ステンレスと建築/西村好造(日本金属工業(株))(7ページ)
 ご存知の事とは思いますが、ステンレスは鉄鋼の仲間です。しかし合金成分であるクロムが金属表面で緻密な酸化皮膜を形成し、金属全体をさびにくくしています。
歴史的にはクロムの発見がなければ成り立たない合金ですが、19世紀初頭にファラデーがさびない刃物を研究したことが、最初の開発だといわれています。その後はその耐食性、耐熱性から兵器開発の中で開発が進んだという歴史もありますが、今では、業務用厨房、台所の流し台、時計ケース、家電製品、自動車排気系部品、最新技術で言えば燃料電池の部品としても使われるようになりました。もちろん、そのさびにくい性能から、建築材料としても使用されています。
ステンレスには、磁石につきにくいオーステナイト系、磁石によくつくフェライト系、それらはその組織の違いによるのですが、この二つの組織を併せ持つ二相系があり、更に析出硬化系、マルテンサイト系など、いくつかの組織による分類があります。更にそれぞれの系の中でも、クロムや他の合金成分の量によって、細かくその種類が分類されます。その中で建築材料によく使用されるステンレスは、SUS304,316と言ったオーステナイト系、SUS430,SUS445,SUS447などのフェライト系、SUS329などの二相系に絞られます。これらの性質、性能、コスト、使用される場所(環境)で材料が選択されます。
また表面に様々な研磨、仕上げを施すことができ、意匠性の二一ズに応える事ができます。

◇チタンと建築/金子照男((社)日本チタン協会建設WG主査、住友金属建材(株)建築建材工事グループ長)(7ページ)
 チタンは、軽い、錆びない、強い、毒性が無い、など理想の金属として知られています。近年、この特性が注目され各方面に利用されるようになってきました。
ここでは、チタンの歴史、製造法から利用方法までを紹介させていただき、チタン建材の今後の伸長に供したいと存じます。

◇銅と建築/斎藤久嘉((社)日本銅センター広報部長)(10ページ)
  銅は、人類が初めて手にした金属だといわれています。古くは紀元前2700年頃の古代エジプト・アブシル神殿に銅の給水管が使用されるなど、長い歴史のなかで人々のくらしや文化の発展に貢献してきました。この長い歴史をもつ銅は、現在、伸銅品、電線、鋳物などとして産業とくらしに欠かせない役割を果たしています。
伸銅品とは、銅や銅合金を板、条、管、棒、線などに加工した製品の総称で、鉄、アルミニウムなどとともに広い分野で活躍しています。
特に最近では建築をはじめ情報通信、精密機器などの先端産業分野での活躍が目立ち、伸銅品のすぐれた特性が力を発揮しています。
このように幅広く伸銅品が活躍しているのは、加工性の良さはもちろんのこと、非常にすぐれた導電性や熱伝導性、さらには耐食性やばね性の良さなど伸銅品が、求められる特性をバランスよくそなえているためです。
それでは、多くの特性をもつ金属の優等生、伸銅品についてご紹介致します。

◇鉛と建築用免震ダンパー/二見達也(住友金属鉱山(株)エネルギー・環境事業部技術担当部長)、柏木栄介(住友金属鉱山(株)エネルギー・環境事業部技術担当課長)(6ページ)
 鉛は、紀元前3000年頃から歴史に登場しており、人類にとってなじみ深い金属の1つである。日本国内においては、733年頃に建築された興福寺の西金堂建築に使用された史料があり、古くから建築に係わっていたことが示されている。
鉛の市場は金属単独で使用する場合と、他の金属への添加や化合物として使用する場合に大きく分けられており、その製品としては鉛電池が主なもので、次いで無機薬品に多く使用されている。建築市場においては、管、板、ハンダ等、多彩な使われ方をしているが、最近ではこの鉛の持つ特質を生かして、阪神淡路大震災以降脚光をあびている免震建築にも鉛が重要な役割をはたしている。
免震建築は、アイソレーターと呼ぶ積層ゴムにより建物を支持し、地盤の揺れと切りはなし、ダンパーによって地震のエネルギーを吸収する構造である。鉛そのものは、塑性変形することにより、高いエネルギー吸収性能があり、多少変形しても常温で再結晶することや、耐食性が良く性能の経年劣化がないことから、免震ダンパー材料にも適しており、使用実績も多い。今後、鉛は、免震のみならず制震建築の部材としても広く使用されることが期待されている。

◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識24」
◇建築物における塗装の維持・補修・改修(その2)-金属系素地用塗装について-/高橋孝治((社)日本塗装工業会専務理事)(12ページ)
金属系塗装
建築に用いられる金属は、鉄、亜鉛メッキ、アルミ、ステンレス等で代表される。
これら金属面に対しての塗装の目的は素地の保護と建築計画上の美装等にマッチした塗装材料、塗装系が開発されている。

◆ぼうさいさろん
◇自然災害を切手で語る(その9)/登坂宏(日本郵趣協会正会員)(3ページ)

◆行政ニュース
◇板橋区防災基本条例について/鍵屋一(板橋区総務部防災課長)(4ページ)
 板橋区は、本年3月11日に防災基本条例を公布、4月1日に施行した。この条例は、区の防災対策の基本姿勢を明確にし、重点施策を明らかにするもので、いわば国の災害対策基本法に相当するものである。
区は、条例の内容を蕃議するため24名の委員からなる防災懇談会を設置したが、学識経験者2名、警察・消防関係者3名を除いて、残りは消防団、住民防災組織、区内事業所などの区民であり、さらに10名の公募委員が選ばれている。このため、条例には、板橋区民の声がそのまま反映されている。たとえば、多数の者が利用する建物の耐震化を促進するため、耐震改修促進法の上乗せとなる公表規定を設けるべきだとの議論がなされ、これが条例化された。

◆全国ネットワーク委員会ニュース
◇既存建築物耐震診断・改修等推進全国ネットワーク委員会平成13年度第2回全体委員会開催報告/事務局:(財)日本建築防災協会(文責 今泉晋)(10ページ)

◇「2001年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・耐震改修設計指針講習会」質問・回答集(1)(11ページ)


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