(特集「宮城県沖地震の再来に備えて」)

当協会の機関誌「建築防災」(月刊)の紹介
No.287 2001/12月号
特集「宮城県沖地震の再来に備えて」 
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識19」

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◆防災随想 
◇ビル火災で想う/飯塚正三(東京都江戸川区建築審査会委員)(1ページ)

◆特集「宮城県沖地震の再来に備えて」
◇迫りくる宮城県沖地震/大竹政和(東北大学大学院理学研究科教授)(4ページ)
宮城県沖には、大地震の発生が迫っている。地震調査研究推進本部の地震調査委員会は、昨年の11月に「宮城県沖地震の長期評価」を取りまとめ、「地震発生の可能性は、年々高まっており、今後20年程度以内(2020年頃まで)に次の地震が起こる可能性が高いと考えられる。」との評価結果を公表した。この小論では、上記の長期評価の内容と根拠について解説し、あわせてその意味するところを考察する。

◇過去の宮城県沖地震における被害について/源栄正人(東北大学工学研究科災害制御研究センター教授)(5ページ)
1978年の宮城県沖地震は仙台市を中心に宮城県各地に甚大な被害をもたらした。この地震から既に23年が経過している。政府の地震調査推進本部の発表による宮城県沖地震の長期評価では過去200年の宮城県沖地震の発生間隔は平均37.1年であり、次の地震の発生確率が今後20年以内に80%、30年以内に90%を超えるとされている。地元自治体では次の地震に備えた地震防災対策が検討されている。
ここでは、1601年の伊達政宗による仙台城築城にさかのぼる過去400年に発生した宮城県沖地震における被害状況を仙台地域の地盤環境と地震被害との関係に着目して概説する。さらに、仙台市の地震被害想定による建物被害の地域内格差についても紹介する。

◇東北地域における建築物の耐震対策について/田中礼治(東北工業大学工学部建築学科教授)、木村一彦(仙台市都市整備局次長)、伏見義則(仙台市都市整備局指導部建築構造室長)(6ページ)
東北地域は、比較的大きな地震の発生頻度の高い地方であり、ここ40年間でも宮城県北部地震(1962年)、十勝沖地震(1968年)、宮城県沖地震(1978年)、日本海中部地震(1983年)、三陸はるか沖地震(1994年)など多くの地震が発生している。最近では政府の地震調査委貝会(委貝長津村建四朗)から今後20年間に80%の確率で宮城県近傍での地震の再発があり得るとの報告がなされている。地震時には必ずと言っていいほど建築物が被害を受ける。地震時の被害をできるだけ少なくするには、耐震対策が必要である。そこで、ここでは東北地域における建築物の耐震対策について述べる。

◇宮城県における建築物地震防災対策/樋口政志(宮城県土木部建築宅地課長)(6ページ)
これまで宮城県の沖合から日本海溝までの海域を震源域とする大地震が繰り返し発生してきている。平成12年11月に公表された政府の地震調査委員会の「宮城県沖地震の長期評価」においては、その発生確立が極めて高いことが示された。このような状況の中、建築物地震防災に係る県の取り組みについて、1978年宮城県沖地震後の対応を概説するとともに、今後の方向性について述べる。

シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識19」
◇防火ダンパーのしくみと維持保全/三ツ橋総行((株)三功工業所 日本防排煙工業会 技術委員会委員長)(6ページ)
防火ダンパーとは、換気ダクト及び空調ダクトが防火区画等を貫通する箇所又は近接箇所に設置し、火災により煙が発生した場合又は温度が急激に上昇した場合に自動的にダンパーを閉鎖し、ダクト内の火炎や煙の拡散を防ぎ、延焼を防止する極めて重要な役目を担っている。防火ダンパーを設置後、その設備が解体されるまでそのしくみは維持されていなければならない。しかし現状は新築の際の完成検査以後、大半は点検されずに放置されたままである。
金属で構成された作動のしくみが、ときにはダクト内の汚れた空気にさらされたまま点検しないで、非常時に突然作動するとは考え難い。維持管理を阻害する主な原因として考えられるのは、
(1)防火ダンパーの設置場所が天井裏であったり、狭いシャフトスペースであることが多く点検作業が困難で維持管理計画が立てにくい。
(2)遠隔操作で作動と復帰を行える防火ダンパーもあるが実数としては少ない。(実際にはこのようなダンパーは維持管理されているほうが多い)このように防火ダンパーは防火区画貫通部のダクトに取り付けられるためその設置場所は他の防災設傭に比べて維持管理上劣悪である。
防災上の役割を確実に果たすためには更なる法制化を進め、建築設計の段階から維持管理を考慮したものにする必要がある。
今回は防火ダンパーのしくみと温度ヒューズ装置の目視検査、維持管理計画の目安とする方法等について解説する。

◆災害報告
◇2001.6.23ペルーの地震による建物の被害/大井謙一(東京大学生産技術研究所助教授)(7ページ)
2001年6月23日に発生したペルー南部地震はマグニチュード8クラスの大きな地震であった。マグニチュードの大きさの割には、人的・物的被害は予想より少なかったが、個々の被害事例には地震防災上興味深いものがあると思うので、筆者の撮影した建築物の被害写真を中心に紹介する。
地震の前から7月中旬に東大生産研とペルー国立工科大学との国際ワークショップ(EQTAP)を計画していたので、急遽小長井一男東大生産研教授を団長として被害調査を行うことになり、筆者も参加した。土木構造物、地盤の被害、津波の被害については、調査団として別途報告される予定である。

◆ぼうさいさろん
◇自然災害を切手で語る(その4)/登坂宏(日本郵趣協会正会員)(1ページ)


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