(特集「建築に使われる鉄」)

当協会の機関誌「建築防災」(月刊)の紹介
No.281 2001/6月号
  特集「建築に使われる鉄」シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識⑫」

※執筆者名の後の( )内の数字はその記事のページ数を表す

◆防災随想 「街づくりと防災」/辻村貴典((株)山下設計都市開発部統括部長)(1ページ)

◆ぼうさいさろん
◇マイブーム/山本誠志(住友金属工業)(3ページ)

◆特集「建築に使われる鉄」
◇建築構造用鋼材の現状/永田匡宏((社)鋼材倶楽部建築専門委員、新日本製鐵(株)建材開発技術部建築建材技術グループリーダー)(5ページ)
建築構造用鋼材市場の特徴
我が国の粗鋼生産量が年間1,000万トンを超えたのは1956年であり、その後、日本経済は飛躍的な発展を遂げ、1972年には年間1億トンに達し、現在に至るまでほぼその水準を維持している。そのうち、国内で消費される普通鋼の分野別使用量は、土木・建築の建設用途に50%の鋼材が使用されており、とくに建築分野は全体量の約30%を占める最大マーケットである。建築分野で使用される約2,0CO万トンの鋼材の内訳を見ると、鉄筋コンクリート造の躯体や鉄骨造の基礎などに使用される棒鋼が建築全体の1/3,H形鋼に代表される形鋼が1/3、その他、厚板や鋼管、仕上げ材に使用される薄板などの鋼材が1/3を占めている。

◇建築構造用鋼材の種類と製造法/永田匡宏((社)鋼材倶楽部建築専門委員、新日本製鐵(株)建材開発技術部建築建材技術グループリーダー)(7ページ)
建築構造用鋼材の種類
鋼材は様々な鉄鋼製造プロセスを経た最終製品として、その用途や製造工程、材料規格、形状などによって分類することができる。以下では、まず、製造工程・材料規格面から分類を行い、高炉材・電炉材、ならびに建築構造用に使用する材料規格を紹介し、つぎに製品形状から分類を行い、H形鋼・厚板・鋼管・冷間成形角形鋼管など主に建築構造用に使用される鋼材の種類とその概要について述べる。

◇新しい建築構造用鋼材/永田匡宏((社)鋼材倶楽部建築専門委員、新日本製鐵(株)建材開発技術部建築建材技術グループリーダー)(19ページ)
建築構造用鋼材に要求される性能
1981年、我が国の耐震規定は抜本的に改訂された。新たに導入された「新耐震設計法」は、構造体各部に生じる応力度を鋼材の弾性範囲内に収めるという従来の許容応力度設計(一次設計)に加え、鋼材の塑性化後の変形能力を活用して地震入カエネルギーを吸収させ、500年から1,000年に一度の極大地震に対しても建築物の倒壊を防止し、人命を保全する(二次設計)という設計法である。このような設計法は、土木構造の一分野を除いて建築構造以外には採用されておらず、建築構造独自の鋼材が要求される。
また、昨年6月に施行された改正基準法は性能規定化が基本思想であり、建築物が必要とすべき性能を規定することが方針として示された。このなかで、鋼材の性能に関して、基準法第37条では国土交通大臣が指定するJIS規格以外の鋼材を使用する場合は「建築材料の品質に関する技術基準」に従い、同大臣の認定を取得する必要があるとしている。その鋼材の性能規定項目については告示第1446号に示されており、「機械的性質」、「化学成分」、「溶接性」、「形状・寸法」などである。これらは建築物の耐震性能確保のうえで必須の規定項目となる。ここでは、鉄骨造建築物の構造材料として使用される鋼材にとって最も重要な耐震性確保のために、設計ならびに鉄骨製作・施工の観点から、建築構造用鋼材への要求性能について考える。

◇建材用表面処理鋼板の現状と課題/神田勝美(東洋鋼板(株)参与)(9ページ)
建材用の素材には金属、窯業、木質、プラスチックなどが活用されているが、なかでも機械的性質や経済性に優れる鉄鋼材料が建材用に多く活用されている。鉄鋼材料は構造材、エクステリア・景観材、屋根材、外壁材、内装・床材、住宅設備機器、土木などの分野に適用されているが、鉄鋼材料の中でも高い強度と安価な価格で鋼板が広く使用される。しかし、鋼板の最大の欠陥は鉄が錆びることであり、めっきや塗装などの表面処理を施さなければ錆を防ぐことはできない。
本報では鋼板を素材とした建材用の商品群を紹介し、これらの開発の現状と課題について概説する。

◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識⑫」
◇感知器(その2)/竹本太三(ホーチキ(株)システム営業部設計担当部長)(8ページ)
前回(2001年3月号)は、消防法令上で使用される警報設備として自動火災報知設備の感知器の種類・構造・機能について説明した。今回は、建築基準法関係において使用される感知器を主として説明したい。建築基準法関係といっても、防火・防煙・排煙設備などのように法令規制されているものから、住宅性能評価表示などのように自主的に設置されるようなものまで幅広くなってきているので十分に理解して頂きたい。
また、今回は消防法の共同住宅の特例で設置されるシステムや、自主的火災早期発見用の超高感度火災検知システムについても多少触れておきたい。

◆耐震診断コーナー
◇ナマズが震える日に備えて大田区学校施設の耐震改修5年間の総括/大田区建築部耐震グループ(6ページ)
耐震改修計画の経緯
大田区は、平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機に、耐震対策の取り組みを本格的に始めた。大田区地域防災計画と旧文部省の「5箇年計画」に合せ、当初の10ヶ年計画を平成8年度から12年度までの5ヶ年と圧縮し、小中学校の耐震改修事業を実施してきた。財政の厳しい中、本年3月をもって小中学校70校155棟の耐震改修工事が、計画どおり無事終了した。
工事に入ってみると、昭和56年の新耐震設計法施行前の既存建築物の設計・施工技術に違いを感じながら、対応に苦労することが多かった。以下この耐震事業の取り組みについて診断・設計、工事を振り返りまとめた。


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