(特集「建築基準法における性能規定化」)

当協会の機関誌「建築防災」(月刊)の紹介
No.279 2001/4月号
  特集「建築基準法における性能規定化」

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◆防災随想 「劇場防災における和洋の視点」/本杉省三(日本大学理工学部建築学科教授)(1ページ)

◆特集「建築基準法における性能規定化」
建築基準法における性能規定化/辻本誠(名古屋大学環境学研究科都市環境学専攻教授)、河野守(独立行政法人建築研究所防火研究グループ上席研究員)(6ページ)
建築基準法防火規定の性能規定化について、辻本はこのところ随分と色々なところに書かせていただいた。内容の重複も多いので性能規定化の経緯については以下の拙稿を参照されたい。又、防火規定改正の全体像をうまく表現されている解説として、高木任之氏のもの(近代消防、2000年6月号、7月号)をあげておきたい。構造規定改正の解説としては文献1)がある。
①建築基準法の防火・避難規定における性能評価法、火災、238号、1999.2
②基準法改正一防火規定の性能規定化、建築雑誌、2000.11
③特集・防火設計はこう変わる、建築技術、2000.11
④なぜ38条はなくなったか、新建築、2001.2
さて本稿では、編集部から「性能規定化を、構造も合めてフィロソフィー的にまとめて欲しい」という要望があった。辻本は、実は構造関係の授業にひとつも出ないで建築学科を卒業しているので、即座に辞退しようとしたが、よくよく考えると教職としての20年、同じ講座の相手方は構造系で、一緒にやるゼミも多かったことも有り、以下の点でやってみるかと思い直してお引き受けすることにした。

◇性能規定化等の建築基準法改正の概要及び施行後の状況/香山幹(前国土交通省住宅局建築指導課課長補佐)(16ページ)
平成10年6月に建築基準法の抜本改正が行われ、交付されたが、今回の法改正においては、改正内容が多岐に渉ること、施行に当たっては政令の改正等その準備に相当の期間を要するものが多く含まれること等から、公布日より即日施行するもの、交付から1年以内に施行するもの、交付から2年以内に施行するものの3段階に分けて改正建築基準法が施行されることとされた。それぞれの主な内容は以下のとおりである。
①公布日施行(平成10年6月11日施行)
・住宅の居室における日照規定の廃止等
②交付から1年以内に施行(平成11年5月1日施行)
・建築確認・検査手続きに関する事項(民間確認検査機関、台帳整備及び図書閲覧等)
・準防火地域における木造3階建て共同住宅に関する規制の緩和
・連担建築物設計制度等集団規定に関する事項
③交付から2年以内に施行(平成12年6月1日施行)
・性能規定等建築基準体系の変更に関する事項(性能規定関係、型式適合認定及び指定認定機関・指定評価機関関係等)
今回は、主として、2年目施行の改正内容である性能規定化の概要及び施行後の状況として、指定確認検査機関及び指定性能評価機関の活動状況についてまとめた。

◇構造関係規定の改正の概要とその後の動き/後藤仁(前(財)日本建築センター建築技術研究所)(6ページ)
建築物の耐震規定については、1981年に抜本的な改正が行われ、いわゆる「新耐震設計法」が規定された。その後、数次の改正が行われたが、耐震基準に関する大幅な改正は行われていない。
今回の改正の大きな目的は「性能規定化」の導入である。つまり、建築物の満たすべき性能(基準法ではあくまでも最低限)を明確にするということである。従来の許容応力度等計算による場合は、様々な仕様基準に適合していることを前提として構造設計を行っており、必ずしも建築物に要求される構造性能が明確ではなかった。本稿では、「性能規定化」に伴い、新たに導入された計算手法である「限界耐力計算」等を中心に、改正の概要ついて述べる。また、改正建築基準法が施行されてから半年ほど経過したので、(財)日本建築センター(以下、BCJと略)における性能評価・評定等の受付状況を紹介し、改正後の動向について触れることとする。

◇耐火規定関係の改正とその後の動き/山口純一(前(財)日本建築センター建築技術研究所)(4ページ)
平成12年6月に施行された改正建築基準法に伴い、防火規定についても大幅に見直しが行われ、耐火建築物の主要構造部に要求される性能が明らかにされた。これに基づいて性能規定に適合される方法として、新たに「耐火設計法」が導入された。本稿では、耐火設計法の概要と、適用状況を中心に説明することとする。

◇避難関係規定の改正の概要およびその後の動き/林広明(前(財)日本建築センター建築技術研究所)(5ページ)
従来の建築基準法(以下、法)では、法第38条に基づく大臣の認定により、法に規定する構造方法と同等以上の効力があると認められた構造方法を用いる場合には、規定を適用しないことが許されていた。しかし、今回の改正により、避難安全性能を有するものであることが確かめられたものに対しては、直通階段までの歩行距離など避難関係規定の一部が適用除外される。特に、告示に示された検証法により避難安全性能を検証した場合には、行政庁の建築主事等による確認で済むことになった。これにより、多様な計画に対して、よりスピーディーな対応がとられるようになった。設計者は、仕様的基準に従う(ルートA)、一股的な検証法による検証を行い主事等の確認を受ける(ルートB)、詳細な検証を行い大臣の認定を受ける(ルートC)の3種類のルートの中から、計画の内容に合わせて自由にルートを選択できる。
ここでは、新たに規定された避難安全性能の検証の概要を整理し、その適用状況をまとめる。

◇民間確認検査機関等の指定状況等/今泉晋(「建築防災」編集委員会)(5ページ)
建築基準法は昭和25年に制定されてから大小の改正を繰り返し行いながら、その時代の背景、技術の進歩等に対応してきた。特に平成10年6月の第9次改正は基準法の基本的な部分にまで踏み込んだ大改正であった。
この中で、単体規制の性能規定化(平成12年6月1日より施行)とともに、民間による建築確認・検査(平成11年5月1日より施行)が新しく導入された。この改正により、順次指定確認検査機関が指定され、業務を実施している。

◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識⑩」
◇避難設備の概要と取り扱い/河野嘉延((社)全国避難設備工業会参与)(7ページ)
大規模で多くの人々を収容する建築物には、火災発生の際に二方向避難の経路を確保するように建築基準法で規定されており、一方の避難階段等が使用不能になった場合は反対方向の避難路を通って避難することになっていることはご存じの通りである。しかし、火災等が拡大又は、煙等により逃げ遅れ部屋に取り残された人々が最後の避難の手段として避難器具等を用いて脱出することになっていることは周知のとおりである。
残念ながら建築設計に携わっている方々に避難器具の質間をしても避難はしご、滑り台、救助袋程度の種類しか答えてもらえない現状である。
今回は消防法令に避難用設備等の構造、規制を含めて、問題点について述べさせていただく。

◆安全の知識
◇伝統的木造構法に見る防災の知識(その1)/鈴木有(秋田県立大学木材高度加工研究所教授)(8ページ)
■始めに-現代の家づ<りを見直す
日本の国土の半分は多雪地帯である。雪国の民家こは、長い歴史の中で培われてきた、雪に備える住まいづくりの豊かな智恵があった。けれども戦後の技術革新は、大量生産の経済効率化を伴って、全国共通仕様の住宅を生み出し、地域独自の住まいの智恵を失わしめた。気候の厳しい冬や夏には、外の自然に背を向けた快適さや便利さを求め、しかも初期投資の安さを目指す家づくりが普通になった。快適と便利と安価の引き替えに、今われわれは様々な課題を突きつけられている。現代の家はほんとうに豊かな暮らしの場なのか?自問し始めた人々は少なくないと思う。
本稿では、「伝統的木造構法に見る防災の智恵」の初回として、雪に備える伝統民家の智恵を体系的に識ることをテーマに据えた。そして、その基盤にある自然観や生活観を探り、現代の住まいや暮らしを見直しながら、設備に頼りがちな現代防災の有りようを考え直す契機としたい。

◆大臣認定 特殊建築物等調査資格者
◇(平成13年2月15日(追加認定))(5ページ)

 


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