(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(16)」)

当協会の機関誌「建築防災」(月刊)の紹介
No.274 2000/11月号(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(16)」)

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◆防災随想 「無事故」と「安全」は違う/濱田信義(濱田防災計画研究室)(1ページ)

◆特集「20世紀の建築防災-災害と技術(16)」
◇東京オリンピックおよび大阪万国博覧会の構造設計と安全技術/川口衛(法政大学工学部建築学科教授)(8ページ)
 建築技術が社会に何かを提案するには、機会が必要である。東京オリンピックや、大阪万国博覧会はその意昧で、20世紀の日本の建築技術にとって、別の意味を持っていたかもしれない。ここでは、この二つの機会に提案された建築技術の概要について触れるとともに、著者が関係した作品について、防災あるいは安全確保という観点から述べてみたいと考える。

◇ホテルニュージャパン火災/沖塩荘一郎(宮城大学事業構想学部デザイン情報学科教授、元東京理科大学火災科学研究所教授)(5ページ)
 33名も死者を出したホテルニュージャパン火災は、20世紀のわが国ホテル火災の歴史の中で最も多くの人の関心を呼んだ事件といえよう。1966年3月の水上菊富士ホテル火災、1968年11月の有馬温泉池坊満月城旅館火災、1969年2月の磐梯熱海温泉磐光ホテル火災は、いずれも30名の死者を数えている。また、1980年11月の川治プリンスホテル火災は死者45名という大惨事であった。
 そのような中でホテルニュージャパン火災が大きい話題となった理由には、経済的にも防災技術や施策の面でもわが国が世界のトップクラスになったと皆が思うようになってきていた時期に、政治の中枢永田町の衆参両議長公邸近<に立地する、鉄骨鉄筋コンクリート造の本格的都市ホテルと見られていた建築での大惨事であったことが第一に挙げられよう。また、続々と遺体が運び出されている中でのホテル経営者の不遜な挨拶、外国人死傷者の多さ、多数の消防車による消火活動にもかかわらず9時間にわたり燃え続ける様子がテレビで全国に実況中継されたこと、焼けた残骸が長期にわたり東京都心部で多くの人の目に晒され続けたことなども関係あろう。

◇地盤・建築基礎技術の20世紀-回顧と点描/吉見吉昭(東京工業大学名誉教授)(6ページ)
 地盤・基礎に関わる主な災害には、不同沈下、地震時の液状化、斜面・山留めの崩壊がある。建築基礎の設計法については、許容地耐力表と杭打ち公式から脱皮して、土質力学と地盤調査結果に基づく合理的設計法がわが国で普及するのは、20世紀の後半になってからであった。掘削および建築基礎の施工法については、海外から導入された技術を足場にして、わが国独自の技術が開発されてきた。近年は極めて強い地震動への抵抗および環境問題との調和が重要な課題となっている。

◇雪害と建築/苫米地司(北海道工業大学教授)(5ページ)
 降積雪による災害は、他の自然災害と異なり、北海道、東北および北陸の地域で決まった時期に毎年発生する事に特徴づけられる。これらの地域では冬になると、降積雪とともに大なり小なり何らかの被害が発生し、春まで継続的に続く。豪雪に見舞われると、その被害は人的な面まで広がり、被害の規模が拡大する。本稿では、降積雪による災害の歴史的な流れを概観し、これらの災害と建築技術との関わりについて述べる。

◆建築保全のための建築物調査の基礎知識⑥
◇防火シャッターと維持管理/(社)日本シヤッター工業会(講習委員会委員長 進藤通衛)(9ページ)
 最近の大型ショッピングセンター等大規模な建物には、3000㎡の面積区画、エスカレータや階段室等のたて穴区画に数百台の防火、防煙シャッターが設置されている。このように我国において、防火シャッターが防火区画開口部に設置する防火戸として、たくさん使用されるようになったのは、歴史的にみると、昭和7年の東京日本橋白木屋百貨店の火災により、翌昭和8年警視庁令で百貨店規則が制定され、1500㎡以内の防火区画及び階段室の区画を防火シャッターで行なわれるようになったことから始まっている。
 防火シャッターは火災時には、煙(熱)感知器と連動して作動閉鎖し、防火区画を形成しなければならない。そのために、シャッターは開閉可動の機械設備であるので機能、性能を維持するために点検と整備を行う継続的な維持管理が必要である。

◆ぼうさいさろん
◇消防署における強風観測/奥田泰雄(建設省建築研究所第三研究部耐風研究室長)(5ページ)
 近年、消防署に消防用気象情報収集システムが数多く設置されている。消防用気象情報収集システムとは、消防署が管轄する地区での消防防災や 広報活動のために気象要素を自動観測するシステムである。ここでは、この気象情報収集システムの強風観測システムに注目しその利用例を紹介する。また、その応用として気象情報収集システムのネットワーク化について述べる。

◆建築防火材料コーナー
◇防火戸(防火設備)について/荒木郁哉((社)カーテンウォール・防火開口部協会(旧アルミ防火戸認定推進協議会) 事務局長)(6ページ)
 乙種防火戸の通則認定は平成3年よりスタートし、平成12年5月31日までに以下の5種類が認定され、市場に提供されております。
 ・アルミニウム製乙種防火戸 通則2号
 ・アルミニウム製住宅防火戸 通則4号
 ・木質系住宅防火戸 通則5号
 ・耐熱板ガラス入りスチール・ステンレス製乙種防火戸 通則6号
 ・防火区画(ビル)用木質系防火戸 通則7号
 平成12年6月1日の建築基準法改正に伴い、通則認定制度は廃止されましたが、改正法施行日の前日に旧38条の大臣認定に移行され、改正法施行後2年間即ち平成14年5月31日まで有効となりました。(建設省住指発第681号の12により。)

◆「建築防災」総目次(1995年1月~1996年12月)(5ページ)


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