(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(12)」)

月刊「建築防災」
No.270 2000/7月号(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(12)」)

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◆防災随想 不発弾/齋籐秀人(清水建設㈱技術研究所主任研究員(1ページ)


◆特集「20世紀の建築防災-災害と技術(12)」

◇今日の木造構法の原点/杉山英男(東京大学名誉教授・東京理科大学教授)(7ページ)
本誌「建築防災」の編集子から「20世紀の建築防災-災害と技術」という特集シリーズが連載中であるが、その一環として「木造」における技術、構法等の進歩・変遷について書くように御依頼を受けた。
 某誌に数カ月前から「近代建築史の陰に」という題で連載を始めた(完結までに2~3年掛かると思うが)ところだが、実は近いうちに今回の本誌編集子の御依頼に答えられるような内容の掲載が始まるはずで、その初めの部分が既にゲラ刷りの段階に入っている。そんな状況にあるので、その趣旨を梗概化する作業をすることにより、編集子の御依頼に答えることにしたいと恩う。

◇インテリジェント消防防災システム/宮坂征夫((財)日本消防設備安全センター)(3ページ)
 1980年代に「インテリジェント化」ということばが情報通信の分野で使われ始め、それが建築分野にも使われ、やがて消防防災の分野においても、「インテリジェント消防防災システム」として用いられるようになったのは、1985年頃である。
 防火対象物への消防用設備の設置及び防火管理等についての消防法令における規制は、用途、規模、収容人員等ごとに画一的に運用されていたものであるが、建築物の大規模化、高層化、多用途化が進む内で、消防用設備について、それまでに存在しなかった新技術開発が進められるようになってきた。

◇防災関係建築法規の変遷と防災計画/濱田信義(濱田防災計画研究室)(6ページ)
 建築に防災計画という言葉が用いられるようになったのは「20世紀」という期間の中では比較的新しく、わが国でも超高層ビルが実現可能になった頃からであると思われる。建築物の火災安全というテーマ自体は古くから重要なものであったが、その内容は社会の要求や経済の動向に伴い、時代によって大きく異なっている。歴史的な視点で見るならば、それぞれの時代の建築法令防災関係規定は、そういった状況を反映していると言えるのではなかろうか。

◆特集「建築物の中間検査の状況」
◇新建築基準法における適法性検証(性能規定における中間検査)/松本光平(明海大学不動産学部不動産研究科教授)(7ページ)
Ⅰ 建築規制の意義
1-1伝統的理解の限界
 我が国の現在の重要な政策課題の一つは規制緩和とされ、建築基準法の今回の改正の主題の一つも規制緩和であった。この種の政策は、全ての社会経済活動を可能な限り自由な市場に委ねるべきであるという主張に基づいている。「市場主義」とも呼べる思想である。
 ところで、建築基準法の規制の意義は、通常、公共の福祉のために加えられた制限として説明される。
 しかし、公共の福祉を目的として規制したものを公共の福祉を目的として緩和することはできない。
 また、個人の具体的な権利の制限を極めて抽象的・多義的な概念によることは、国家主義的な色彩を帯びた考え方であり、現代社会には受け入れ難い。現実にも、この説明の理解を国民に求めるのは困難であろう。
 規制及びその緩和の意義、言い換えれば合理性を説明するには、「公共の福祉」概念とは異なる理論によらなければならない。

◇堺市における木造三階建て住宅違反対策の取組と中間検査実施状況について/上田稔(堺市建築都市局都市政策部長)(8ページ)
 平成7年1月7日未明、阪神・淡路大震災において、戦後最大の被害が発生し、建築物の安全性の確保が、改めて認識させられ、建築行政において安全性を中心とする建築物の質の確保や適切な維持保全を確保することが強く求められました。
 そのためには、今まで十分行われていなかった工事施工中の段階での検査を実施できるように中間検査の制度が創設されました。

◇横浜市の中間検査制度の実施状況/水上秀己(横浜市建築局建築企画課企画係長)(4ページ)
 今回の建築基準法の改正は昭和25年の法制定以来の大改正と言われており、咋年の5月1日施行された主な内容として、建築確認・検査の民間開放、中間検査制度の導入、連担建築物設計制度の創設等があげられる。
 ここでは、このうち横浜市が重点的な取り組みとして実施している中間検査制度について紹介していく。

◆建築保全のための建築物調査の基礎知識②
◇目視調査の重要性/佐藤紀男(㈱NTT建築総合研究所FM技術部担当部長)(4ページ)
 建築物を取り巻く社会情勢は、阪神大震災以降、既存建物に対する耐震診断及び耐震補強等の行政指導、不良建物などに対する訴訟の増加や法規制の改正など目まぐるしく変化している。
 中でも、50年ぶりに大改正された建築基準法、新たに導入された住宅性能表示制度や瑕疵(かし)担保責任の見直しなどは、建設市場に強力なインパクトを与えている。
 特に、従来は2年間だけアフターサービスをしていれば事実上免責されていた瑕疵担保責任が、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」の瑕疵について最低10年間を義務付けている。このことは、申請した新築住宅だけを対象とする性能表示制度に比べ、すべての新築住宅が対象となるだけに、その社会的影響はかなり大きく、何れ住宅(戸建・共同住宅)のみならず、近い将来建築物の全てが対象となることが予測される。
 全国の建築ストックは、床面積で約80億㎡、約3,600万棟と言われており、住宅と非住宅の割合はほぼ半々と推定され、棟数では住宅が80%強を占めると見られている。

◆建築防火材料コーナー
◇GRC製品(ガラス繊維補強セメント製品)/日本GRC工業会(7ページ)
 GRC製品は、耐アルカリ性ガラス繊維で補強したセメント製品(Glass fiber Reinforced Cement)であって、昭和40年代から繊維補強コンクリートの先駆けとして実用化され、昭和55年に不燃材料として建設省の通則認定第1005号を取得している。
 その特徴としては、(1)無機質のガラス繊維からなる完全不燃材料(2)特に曲げ強度が大きく薄肉化出来るので部材の軽量化が図れる(3)造形性に優れているので複雑な形を成形したり自由なデザインを選択できる等から、建築物の外壁、内壁、シンボル塔、0A機器室の床、ホールの天井、庇、ベランダ、アーケード、防音壁、歩道橋、各種化粧永久型枠、各種トラフ、各種蓋、屋外収納庫、フラワーボックス、防蝕カバーその他に広く使われている。

◆定期調査報告関係地域法人紹介コーナー
◇(財)秋田県建築住宅センター(5ページ)
 当センターは、昭和48年5月16日財団法人秋田県建築住宅相談所として設立され、26年目を迎えました。
 当初は急激な住宅建築の需要増による不適正工事や請負契約、不動産取引におけるトラブルから消費者を保護するため行政を補完し住み良い「すまい」と「まちづくり」を行い。もって生活環境の充実向上をはかり調和のとれた快適な住生活と建築産業の助長をはかることを目的として業務を開始し、その後の社会の変化と県民二一ズに対応した新しい業務を行ってきたところである。
 21世紀を間近に控えた社会はグローバル化に向けて大きく変化しております。時代の要請に答え県民生活の福祉の増進に寄与していきたいと考えているところである。

◆「建築防災」総目次(1987年1月~1988年12月)(6ページ)


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