(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(11)」)

月刊「建築防災」
No.269 2000/6月号(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(11)」)

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◆防災随想 コンクリート雑感/田極義明((財)日本建築センター確認検査部構造担当部長)(1ページ)


◆特集「20世紀の建築防災-災害と技術(11)」

◇耐震診断・耐震改修法の開発/村上雅也(千葉大学工学部デザイン工学科教授)(7ページ)
1968年十勝沖地露はそれまで耐震性能が高いと考えられていた鉄筋コンクリート造建物に崩壊などの甚大な被害を与えた。その教訓は、建物の耐震性能を評価するにあたっては建物の地震時の動的挙動を考えなければならないということであり、この教訓を踏まえて鉄筋コンクリート造建物ばかりでなく、鉄骨造建物、木造建物、鉄骨鉄筋コンクリート造建物に対しても耐震診断法、耐震改修法が開発され、また建築基準法施行令なども大幅に改正されたわけである。
 ここでは耐震診断法、耐震改修法の開発の経緯とその基本的な考え方を述べるとともに既存建物の耐震性能のレベルを示して耐震診断、耐震改修の必要性とその取り組みについて述べている。  

◇防排煙技術の変遷/若松孝旺(東京理科大学理工学部建築学科教授)(4ページ)
 平成10年6月に建築基準法が改正され、これに伴う関連政令・告示の改正が本年6月に予定されている。これによって、防排煙技術を含む火災安全技術に関しても、性能的技術基準や設計指針が示され、お世辞にも進んでいたとはいえないこの分野の技術が21世紀へ向けて大きな一歩を踏み出す契機になるものと期待されている。
 ここでは、火災安全技術の中で極めて重要な役割を担っている防排煙技術について、その発端から今日の性能的技術基準が生まれるまでの変遷を、特に、関連する研究の端緒および技術基準の生い立ち等を中心に述べると共に、今後に残された課題と今後への期待について私見を述べてみたい。

◇ビル火災の記録を顧みる/飯野雅章((社)日本ファシリティマネジメント推進協会常務理事)(5ページ)
 1.ビル火災時代を総括する
 本誌「建築防災」の昭和60年4月号から平成1年4月号までの約4年間に、33回にわたって「ビル火災の記録」が連載されている。これは、わが国の昭和38年から昭和62年までの25年間に発生した90件のビル火災を一定の形式で綴ったものであった。
 この中から主な79件を抽出し、これに平成1年のスカイシティー南砂及び平成2年の長崎屋尼崎店の火災記録を加え、81件のビル火災について、その記録概要を一覧としたものが別表である。
 このビル火災の記録一覧を概観し、若干の考察を加えて、述べることとしたい。なお、本誌「建築防災」平成5年1、2月号に「最近の火災・その問題点と対策」と題して筆者の拙文が掲載されているが、この記述内容と関連し、また、これを補足する内容ともなりそうなので、参考までに、そちらの方も併せて御覧頂ければ有り難い。

 
◆建築保全のための建築物調査の基礎知識①
◇建築物の維持保全/吉田克之((株)竹中工務店設計部副部長)(4ページ)
 建物を構成する各種の部材や設備は環境条件、使用条件、経年変化などによって必然的に摩耗、損傷、劣化を招く。これらを放置すると建物の使い勝手や快適性の低下に繋がるだけでなく、建物の寿命を低下させたり災害発生の原因にもなる。
 また、劣化や障害が発生してから修理を行なうのでは予定外の建物機能の停止を招くだけでなく、事前に行なう維持保全よりも余計な費用がかかってしまうこともあり、建物のライフサイクルコスト(LCC)の面から見ても不経済である。
 こういった観点から、筆者の勤める会社では建物が竣工したときに「維持保全の手引き」という小冊子を配布し、維持保全の参考にしていただいている。本誌では今後、継続的に建物の定期調査に関する記事の掲載をすることとなったため、その開始にあたり、この小冊子の内容を要約して紹介する。

◆ぼうさいさろん
◇国際防災10年とRADIUSプロジェクト/岡崎健二(建設省住宅局建築指導課国際基準調査官)(7ページ)
 1990年代は国連が定めた「国際防災10年」で、筆者はジュネーブにあるその事務局に1996年から4年間勤務し、特に地震対策の推進に携わった。本稿では、国際防災10年の活動を簡単に紹介し、次に筆者が担当したラディアス(RADIUS,Risk Management Tools for Diagnosis of Urban Areasagainst Seismic Disasters)プロジェクトについて詳述したい。本プロジェクトは、特に途上国の大都市における地震対策を推進するため、日本政府の資金協力を得て実施されたものである。9つの都市でケーススタディとして、地震被害シナリオと行動計画を作成し、その経験をもとに都市における地震対策推進のための実用的なマニュアルを開発した。このプロジェクトは、国連としてはユニークなものであり、国際防災10年関連の国連プロジェクトとして、最も成果をあげたものと評価を受けている。

◆建築防火材料コーナー
◇窯業系サイディング/石川敏博(日本窯業外装材協会専務理事)(5ページ)
 窯業系サイデイング(JIS A 5422)とは、主原料としてセメント質原料に補強繊維及び充填材を用いて成型、養生、乾燥した製品の中で、主として住宅の外壁に用いる板状の材料をいう。戦後、多く使われたモルタルに変わって、昭和40年代サイディングが市場に登場したが、乾式工法による施工の良さもあって窯業系のサイディングの需要が増えてきた。特に、ここ10数年の伸びは大きく現在では新築住宅の外壁材の70%近くに達し外壁の主流になっている。工場生産による製品の均一性、色、柄の多彩さが住宅のニーズにマッチしたためと思われる。

◆定期調査報告関係地域法人紹介コーナー
◇(社)沖縄県建築士事務所協会/(社)沖縄県建築士事務所協会(文責 専務理事 金城政栄)(4ページ)
 (社)沖縄県建築士事務所協会は、昭和30年7月17日に前身である沖縄建築設計監理協会として発足しました。戦後の復興期に産声をあげた我が事務所協会の歩みは、焦土と化した中から近代的なビル群が林立する今日の繁栄を築き、県内唯一の建築士事務所団体として重責を果たしてきました。
 沖縄は去る第二次大戦で米軍に占領され、県民は日本人がかつて経験したことのない特異な体験を強いられてきました。即ち、戦後27年間におよぶ異民族支配…、それは実質的な軍事優先政策がつづき、膨大な基地に囲まれ、時には基本的人権を侵害されたり、県民の生活は常に矛盾と不合理にあえぐ忍従の歴史でもありました。

◆浸水時の地下室の危険性について(8ページ)

◆「建築防災」総目次(1985年1月~1986年12月)(6ページ)


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