(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(9)」)

月刊「建築防災」
No.267 2000/4月号(特集「20世紀の建築防災-災害と技術(9)」)

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◆防災随想 学会発表で大騒ぎになったこと/神 忠久((財)日本消防設備安全センター参与)(1ページ)


◆特集「20世紀の建築防災-災害と技術(9)」

◇宮城県沖地震/柴田明徳(東北文化学園大学教授)(5ページ)
 1978年(昭和53年)6月12日に仙台を直撃した宮城県沖地震(マグニチュード7.4)は、建築物や土木構造物に大きな被害を与えると共に、ガス、電気、水道、通信、交通などの都市機能に様々な障害をもたらした“都市直撃型”の地震であった。宮城県での死者は27人、負傷者は1万1千人を数えた。死者のうち19人はブロック塀、石塀などの倒壊によるものである。
 宮城県沖地震の被害は地震工学、耐震工学、都市防災の様々な面で大きな影響を与えた。この地震の10年前に起こった1968年(昭和43年)十勝沖地震が建築構造の分野に与えた衝撃は極めて大きく、耐震工学研究の急速な発展をもたらしたが、宮城県沖地震はその成果を検証し、実際へ応用するきっかけを与えたと言えよう。
 なお、仙台に大被害をもたらした6月12日地震の4ヶ月前に2月27日宮城県沖地震(マグニチュード6.8)が起こり、宮城県北部と岩手県南部の内陸部でRC建物の被害が生じ、仙台市内でガラス割れが多発した。この地震は全国的に取り上げられることはなかったが、強震動や被害に関して重要な知見を与える地震である。
 本稿では、宮城県沖地震の被害とそれが地震防災技術に与えた様々な影響について考えてみる。

◇霞が関ビルを可能にした耐震設計技術とその後/長田正至(横浜国立大学教授)(7ページ)

 それまでわが国では実現は夢物語とされた本格的超高層ビルである「霞が関ビル」が誕生して今年で32年目となる。以来超高層ビルはすっかり市民権を得て、今や何の違和感もなく都市の風景の中に溶け込んでいる。その「霞が関ビル」の構造設計、とくに地震国日本で超高層ビルを可能とした耐震設計について当時の考え方を振り返り、現在の視点で見た時、それはどんな意味や価値を持つものであるかを考え、さらに、その後の超高層ビルの構造計画や設計の技術的な発達を展望する。

◇消防用設備の変遷/次郎丸誠男(日本防炎協会理事長)(5ページ)

 科学技術の進展等により、建築物は高層化し、大規模化し、複雑化してきているが、これに伴って火災の様相も大きく変化をし、建築防災対策についても様々な観点から検討が加えられてきたが、その1つでもある火災を早期に発見し、通報し、火災を初期の段階で消火し、安全避難等に資する消防用設備についても、建築防災の二一ズに応える形で開発され、改良されてきている。すなわち、図一1に示す火災の推移を考慮しながら建築物サイドにおける自主的な防災組織による火災対応から、消防機関による活動に至るまで消防用設備が充分に機能するように技術の進展がなされてきている。この消防用設備の種類も多く、火災の推移に関連して機能する消防用設備の役割も異なるが、ここではその代表的なものであるスプリンクラー設備及び自動火災報知設備に関し、建築防災の二一ズに応じて技術的にどのように変遷されていったかについて概略したい。

◇1944年東南海地震と1946年南海地震/飯田汲事(名古屋大学名誉教授・愛知工業大学教授)(8ページ)

 東南海地震は遠州灘から紀伊半島南東沖を震源域として発生した巨大地震で、愛知・三重・静岡・岐阜・和歌山・大阪の各府県に被害が多かった。静岡県太田川・菊川流域・木曽三川下流域・伊勢湾臨海域等の沖積地や埋立地では、地盤の液状化がおこり、その地盤の不等沈下による家屋の倒壊が多く、名古屋南部・浜松では工場の被害が著しかった、大津波が熊野灘沿岸を襲い、臨海部の沈降地変と相待って大災害を生じ、遠く伊豆下田付近にも被害があった。
 南海地震は東南海地震の震源域の西に隣接した紀伊半島沖から四国沖を震源域として、東南海地震後に続発した巨大地震で、南海トラフ沿いの巨大地震の特性を示した。被害は岐阜・愛知各県以西の各地に及び、紀伊半鳥から四国にかけて東南海地震と同様に河川流域や臨海域・埋立地では地盤液状化が発生し、その不等沈下等により建物に大被害を与えた。この地震で室戸岬・足摺岬・潮岬などの岬の先端が隆起して南上がりの傾動を示し、土佐沿岸は沈降したため、大津波により大被害を受けた。

◆建築防火材料コーナー

◇着色亜鉛めっき鋼板/若松隼人(亜鉛鉄板会業務部業務課長)(5ページ)
 着色亜鉛めっき鋼板は、さびを防ぐために亜鉛めっきをした鋼板(亜鉛めっき鋼板)に耐久性及び美観などを付与するため合成樹脂塗料を高温・高速ラインで焼付け塗装を行った製品である。この製品は、防火材料の内不燃材料通則認定第1041号として、1969年(昭和44年)12月認定されている。着色亜鉛めっき鋼板の断面を図1に示す。不燃材料第1041号を取得している商品は、1999年12月現在で、約300ブランドがある。

◆定期調査報告関係地域法人紹介コーナー

◇(財)福岡県建築住宅センター(5ページ)
 当財団は、当時の地方住宅センター構想(建設省)を背景に、昭和53年(財)福岡県住宅センターとして設立され、以降福岡県の建築住宅行政の補完的役割を果たしていくなかで、業務の拡充・充実を図り昭和62年に(財)福岡県建築住宅センターに名称を変更し、現在にいたっています。
この間、住宅相談事業を始め、展示場の運営及びイベントの開催等の住宅情報提供事業また、住宅取得者の保護を目的とした住宅性能保証事業など直接県民の二一ズに対応した事業を実施してきたところです。
 一方、関連業者に対してもテーマに基づく経営及び技術研修会の開催の他、阪神・淡路大震災を機に地震に関連した講習会の開催も併せて行っています。
 その他、県行政施策に関する調査研究を始め、建築基準法の関連事業として定期報告関係の他、今年度より民間確認検査機関の指定を受け、建築確認に関する事業を開始したところです。
 また、宅地建物取引主任者資格試験の実施等、公益法人の立場で広く県行政の補完的事業に取組んでおり、今後も積極的にその役割機能を果たしていくことを目的に事業を推進してまいりたいと考えております。

◆行政ニュース

◇建築基準法施行令の一部を改正する政令案(パブリックコメント)(15ページ)

◆建設大臣認定 特殊建築物等調査資格者(平成12年2月14日(追加認定))(5ページ)


◆「建築防災」総目次(1981年1月~1982年12月)(4ページ)


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財団法人 日本建築防災協会 機関誌係
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