(特集「E-ディフェンスRC・基礎地盤」)

月刊「建築防災」
No.346 2006/11月号
特集「E-ディフェンスRC・基礎地盤」
シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識77」
 
※執筆者名の後の ( ) 内の数字はその記事のページ数を表す
 
◆防災随想
◇耐震補強について思うこと/小野幹雄(東京都都市整備局 市街地建築部)(1ページ)

 
◆特集「E-ディフェンスRC・基礎地盤」
◇振動台実験による鉄筋コンクリ-ト造建物の地震時崩壊挙動の把握―大都市大震災軽減化特別プロジェクト-RC建物に関する研究-の概要/壁谷澤寿海(東京大学地震研究所 教授 工学博士)、松森泰造(独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター 研究員 博士(工学))(15ページ)

 兵庫県三木市に建設された「実大三次元震動破壊実験施設(E-Defense)」は2005年度より本格的な運用に入っている。E-Defenseは振動台床面積20m×15m、試験体の最大許容高さ20m、最大搭載質量1,200tで、世界最大の3次元振動台である。1,200t搭載時の最大加速度、速度、変位は、水平方向9.0m/s2、2.0m/s、1.0m、鉛直方向15.0m/s2、0.7m/s、0.5mであり、実大の中低層鉄筋コンクリート(RC)造建物を崩壊させることが可能である。文部科学省「大都市大震災軽減化特別プロジェクト(大大特)II.震動台活用による耐震性向上研究」では、 RC建築物を対象に最初に実施する振動台実験の対象として実大6層耐震壁フレーム構造を選択し、2006年1月にE-Defenseで実験を実施した。実験の結果、試験体は1層の腰壁付き短柱と耐震壁のせん断破壊による層崩壊に至った。耐力劣化を含む崩壊過程に関する解析手法が適用できることが検証されつつあり、今後崩壊までを対象にした安全性レベルの検証に大いに寄与するものと期待される。2006年度には低層の学校建築を対象にして、既存のやや脆弱な建物と補強した建物に関して、基礎のスウェイとロッキングも含む挙動の実験を計画中である。実大実験を中心にプロジェクトの概要を紹介する。
 
◇E-ディフェンスによる地盤基礎実験の概要/田端憲太郎、佐藤正義((独)防災科学技術研究所)、時松孝次((独)防災科学技術研究所 東京工業大学教授)(14ページ)
 盛土・擁壁・護岸などの地盤構造物や地盤中にある杭構造物の地震時・地震後における挙動を解明するために、対象とする地盤模型の震動実験を行い、結果を吟味することは、数値解析などと同様に耐震性の検討・評価における重要なプロセスの一つです。この地盤模型の実験には、一般に、遠心力により大きな重力場を作り出せる装置(遠心載荷装置)に地盤模型を積載して震動を加える実験と、水平方向や上下方向に振動する台(振動台)上の地盤模型に震動を加える実験があります。遠心載荷装置による震動実験では、大きな重力を地盤模型に発生させることにより実地盤と等価なスケールの状況を小さな模型内に再現することができますが、地盤を構成する土の性質を保ったまま土粒子をスケールダウンできないことや、小さな模型のために計測機器を数多く設置できないなどの問題があります。一方、振動台を用いた震動実験では、振動台の大きさが実際の地盤よりもはるかに小さいため、実地盤と見なすことができるほどの大きな地盤を積載することができず、拘束圧の影響を大きく受ける地盤の実際の挙動を完全に再現することが容易ではありません。そこで、より大きな規模の地盤模型に対する震動実験を行うことによってより実地盤に近い挙動を把握するために、本実験では世界最大級の震動台を有する独立行政法人防災科学技術研究所・兵庫耐震工学研究センターの実大三次元震動実験破壊施設「E-ディフェンス」1)(写真1)にて、実大規模の地盤模型を対象とした震動実験を行いました。このような実大規模の模型実験では実現象をほぼ再現できるのみではなく、実大模型により多くの計測機器を設置できるため、詳細なデータを集録することが可能となります。
 
◆シリーズ「建築保全のための建築物調査の基礎知識77」
◇マンションの長期修繕計画作成について(総論編)/中野谷 昌司((社)高層住宅管理業協会・マンション保全診断センター所長代理)

 マンションは、1棟の建物に独立した複数の所有権、いわゆる区分所有権が存在し、建物の管理・維持保全等に関する意志決定には、全て集会(管理組合総会)の決議が必要となる。特に建物や設備の維持保全に係わる修繕工事については多額の費用を要することが多く、集会での合意を得るためには修繕工事の必要性はもとより、その費用の妥当性と根拠を明確にしなければならない。
 マンションの管理組合は、日常の管理運営に係わる「管理費」を毎月徴収しているのが一般的であるが、修繕費用については「修繕積立金」として別会計で扱われる。その毎月の修繕積立金徴収額の算定根拠となるものが長期修繕計画であり、長期に渡る維持保全の指標となるものである。この作成方法、考え方について解説する。
 
 
 

*情報交流制度にお申し込みいただいた方には、当協会の月刊誌である「建築防災」をお配りしています。

——————————————————————————————————————-

その他詳細につきましては、下記事務局までお問い合わせ下さい。
一般財団法人 日本建築防災協会 建築防災編集係
東京都港区虎ノ門2-3-20 虎ノ門YHKビル
電話:03-5512-6453 FAX:03-5512-6455
mail:kenbokyo@kenchiku-bosai.or.jp

バックナンバー